11月

2022年11月9日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

米国「インフレ抑制法」は生煮えだったのか

それにしても、バイデン大統領が2022年8月16日に署名したた「インフレ抑制法」は何だったんだろうと思ってしまう。

本来なら米国の法律であることから、海外からはとやかく言うことはあまりないが、今回は海外から言いたい放題のようだ。

欧州連合は、控除要件が「最終組み立ては北米で行われること」と規定されていることに対し、欧州から輸出する電気自動車や電池のほか、関連機器はカナダとメキシコの製品と同等に扱うよう要請を出した。これでは、米国の法律として意味をなさなくなる。

また、韓国政府は、インフレ抑制法は、外国のEVメーカーにマイナス影響を与え、韓米自由貿易協定(FTA)や世界貿易機関(WTO)などの国際通商ルールにも違反する恐れがあると強調した。その結果、韓国製EVにも同一の税額控除を適用したり、税額控除の施行に3年の猶予期間を設けることなどを要請している。

珍しく、日本も負けじと「1.北米地域以外からの輸入完成車が税控除の適用除外となったこと、2.バッテリー材料の調達・加工要件が米国または米国の FTA締結国に狭く限定されていること、3.バッテリー部品の北米での製造・組み立て要件が導入されたこと」に懸念を示し、日本メーカーのEVも優遇を受けられるよう意見書を提出している。

このように、ここまで海外からボコボコに叩かれる法案は珍しいのではないだろうか。やはり、突貫工事で作成した法案のため、NHTSAやCARBのように細部を詰めて出てきた法案とはとても思えない。

ある意味、選挙対策としての「インフレ抑制」法案だったのかもしれないが、逆にあまりにアメリカファーストを謳うことで、関係国との協力関係にひびが入らないか、気になるところである。

性急な法案は周辺国に混乱を招くという、良い例のように思えてならない。