09月

2023年9月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

欧州大手自動車部品メーカーの業態転換に驚き

最近ほぼ毎月、欧州大手部品メーカーとお話をする機会が多いが、その変わり身の早さに驚かされる。これまで内燃機関の部品をメインに開発・製造してきたと思われるような会社も、現在はその主流をEVシフト関連部品に重点を移している。

e-Axle(モータ、インバータ、T/M等)や自動運転関連の部品でも、既に20年以上の歴史がありますというように、まるでシニセのような品揃えである。この変わり身はある意味、欧州の自動車メーカーより早いのかもしれない。

さらに、特徴的なのは、欧州の自動車メーカーのみならず、中国の大手・新興EVメーカーとも結び付きを深めていることだ。これは中国市場に参入するとともに、近年、中国メーカーが欧州で生産を拡大していることにも関連があるであろう。

ひるがえって、日系自動車部品メーカーの動きは総じて鈍い。EVシフトが来るのは、まだまだ先との考えであろうか。しかし、日系自動車メーカーは、中国での販売鈍化に伴い将来撤退するかのような動きを見せ、日系部品メーカーも足元は浮足立っている。

チャイナリスクがあるとはいえ、業態転換に遅れた日系部品メーカーは、結果的にEVシフト分野で競争力を失っていくのではないかと危惧する。