過熱気味なEV投資にブレーキ!
直近の報道によれば、中国ではEV投資熱が過熱していることから、新たに厳しい管理規定を作って、EV製造事業への投資熱を抑えようとしているとのこと。
その背景には、今年1月~5月までの新エネ車販売台数が、対前年比142%と驚異的なペースで推移していることや、ここ2~3年で過大な設備投資を計画しているため、少し頭を冷やす必要があると思ったのかもしれません。
2017年に於ける新エネ車販売台数は約78万台まで伸びましたが、この調子でいくと、2018年は予想を遥かに上回る数値になるように思えます。新エネ車のためにいろいろと政策を打っても、なかなか伸びない日本とは好対照となっています。
また、販売が伸びるほど、補助金も膨大になることから、補助金政策の調整を計画しているとのこと。EV走行距離はこれまでの100kmから150kmへ、電池のエネルギー密度は90Wh/kgから105Wh/kgへ変更とのことです。
しかし、今年の2月に事前アナウンスがあったとは言え、突然の補助金政策変更には戸惑った自動車メーカーやプロジェクト責任者も多かったのではないでしょうか。プロジェクトを経験した私にとっても、基本構造の変更まで関係する突然の政策変更にはビリビリ!というより、無力感を感じたように思えます。
中国では、スピードを加速させたり、減速させたりして、計画された産業目標に到達するようにコントロールするだけに、今回のEV投資過熱も、どこで減速させ、またいつ加速させるのか、注目していきたいと思います。