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2022年6月27日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 自動車産業の常識 vs.テスラの常識

最近話題になっていることの一つに、テスラがCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)で2021年度に初めてマイナスになったことが報じられた。

CCCとは、商品や原材料を仕入れてから、生産・販売して代金が手元に入るまでの平均期間を示したもので、テスラは2021年度に-15日になったとのこと。

自動車産業の平均CCCは日本で約55日、米国でもほぼ同様、中国は約75日とやや長めである。

私自身もこれまで、自動車産業は、材料手配から、生産・販売までを考えると、かなりの日数が必要なのは当たり前と思っていたことから、テスラがCCCで-15日になったことに驚かされた。

過去を紐解いてみると、テスラは2014~2015年にCCCで54日であり、その後、努力して低下させてきたようだ。

他社で強烈な企業はアップルであり、CCCは-74日とのこと。1996年は+70日であったが、スティーブ・ジョブズやティム・クックがCCC低減に向けて指示を出し、年々低下させてきたようだ。-74日ということは、仕入れ先に支払うはるか前に販売代金が入金されていることを意味する。

今まで自動車産業はCCCが長いことが常識であり、またCCCをマイナスにするよう目標を打ち出したことも聞いたことがなかった。

しかし、世界の優良企業はこれも目標を立てて取り組んできた。商品開発のみならず、このような別の指標に対しても行動してきた結果が、大きな差異となったのであろうか。