自動運転の冗長性は?
先週、東京ビッグサイトと青海展示棟にて開催されたオートモーティブワールド2020に参加して、はっとしたことがある。
自動運転関係ブースの方と話をしていて、自動運転の制御システムに於いても冗長性が必要になるのではとの話になった。
冗長性とは、ある部品や制御が壊れても、別の部品や制御にて対応できるように、最初から二重、三重の対策を講じておき、信頼性を高める方法である。
それで思い出すのが、筆者が電気自動車の量産開発に着手した際、これまでのガソリン車とは異なることから、航空機で採用されている冗長性を詳しく検討したことがあった。
言うまでもなく、航空機はトラブルがあっても、最悪の事態を避けるため、電源、油圧、制御系など、ありとあらゆるところに多重の冗長性が配慮されている。
さて、自動運転車の場合、実証試験段階ではそれほどではないが、実際に量産車を考え始めると、ソフト・ハードともどこまで冗長性を考えるか、相当悩むのではないだろうか。
冗長性を多用すればするほど、部品点数、制御は複雑となり、レイアウト成立性やシステム開発が難しくなっていく。また自動運転車のコストも大幅に上がっていく。いよいよそのような段階に来たのだろうかと、思わずビリビリ!きた次第である。