社会インフラは2つが限界
急速充電の協議会であるCHAdeMO協議会が発足した2010年当時、関係者でよく「社会インフラは2つが限界ではないか」と話していた。
どういうことかと言えば、既存のガソリンスタンドがあり、CHAdeMO協議会では、電気自動車用の急速充電スタンド設置を積極的に進めていた。但し、狭い日本ではこのような社会インフラは2つが限界ではないかと考えていたのである。
その後、燃料電池車用の水素ステーション設立の話も持ち上がってきた。これでは、ガソリンスタンド、急速充電スタンド、水素ステーションと3つが存在し、将来はたしてどちらが生き残れるのかと懸念していた。
現在は、関係者の努力もあり、国内の急速充電器基は8000基に達している。先週、トヨタが2030年にEVのグローバル販売350万台を目指すと公表した際、「急速充電器も2025年ぐらいを目がけて全国の販売店に設置する」と言及している。
トヨタは国内の販売店舗が約6000店あり、これら全ての販売店に急速充電器を設置するとなると、2025年にはこれまでの設置数と合わせて14000基に達する。
一方、水素ステーションは整備中も含めて現在170カ所に過ぎない。今後の方向性として、ガソリンスタンドが減少し、急速充電スタンド1極になるのか。はたまた中国のように、電池交換スタンドがガソリンスタンドに次第に取って代わっていくのか、やはり社会インフラは2つが限界かなと思ってしまう。