10月

2018年10月23日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話(特別編)

一般社団法人 自動車100年塾 海外視察のご案内

今回は特別編として、自動車100年塾海外視察のご案内をさせていただきます。

一般社団法人 自動車100年塾では、かねてからご案内のとおり、初めての海外視察を 計画しました。今回は訪問先として中国を選びました。大きなイベントに合わせて、中国の今を 見ることができる良い機会と思いますので、ぜひともご参加賜りますようお願い申し上げます。

なお、会員でなくとも参加可能です。
自動車100年塾にご参加の方は昨日案内が届いており、重複となることご容赦願います。

詳細は以下の自動車100年塾HPをご参照ください。

リンク先:
http://www.auto100y.org/

2018年10月11日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

CASEはMaaSではない

ソフトバンクとトヨタとの記者会見が話題となっているが、筆者がとくに気になったことについて述べてみたい。

近年、自動車メーカーは、独ダイムラーのツェッチェCEOが提唱したCASE、つまりC(Connected)、A(Autonomous)、S(Shared)、E(Electric)が将来の進むべき方向を示唆すると受け止め、トヨタもこの路線で動いている。

一方、自動車業界にとらわれることなく、公共交通機関、バス、タクシー、カーシェアなどをシームレスに繋ぎ、予約と決済ができるモビリティのサービス化、いわゆるMaaS(Mobility as a Service)が欧州を中心に進展してきた。

今回の会見を聞いていて、トヨタはCASEの話をしたがり、逆に言えばMaaSの話は避けたく、ソフトバンクはMaaSの話をしたかったが、トヨタの意向を理解して抑えていたような印象を受けた。

話は逸れるが、9月中旬にコペンハーゲンにて開催された第25回ITS世界会議に筆者も参加した。ある発表者が、世の中にはMaaSと自動運転車やライドシェアをごっちゃにする人がいるが、MaaSの定義は「さまざまな形態の輸送サービスを、アクセス可能な単一のモビリティサービスに統合したもの」であり、自動運転車やライドシェアなどと区別する必要があると説いていた。European MaaS Allianceも同様な定義の位置づけである。

そして、話を今回の記者会見に戻せば、トヨタがMaaSの話をしようとすれば、マスター(主)とスレーブ(従)の関係が生じることを説明しなければならない。今回設立の新会社が、もしソフトバンクを中心としたMaaSプラットフォーマーになるのであれば、セカンドレイヤーとしてライドシェア企業などが位置し、クルマを提供するトヨタはサードレイヤーの位置付けになる。

さらに言えば、セカンドレイヤーとなるライドシェア企業の代表格である滴滴出行、UBERなどもソフトバンクが大株主であり、結果的にトヨタは2段階下に位置する構図となる。このような状況は説明しにくく、トヨタは意識してMaaSの話を避けたのではないだろか。

ただ、将来はMaaSプラットフォーマーが自動車も含めたMobility全体をコントロールすると予想されている。そのような中、記者会見の際に、握手したソフトバンク孫正義会長が自信あふれる姿に見え、トヨタの豊田章男社長が(ここで握手して良いのであろうかと)やや不安げに見えたのは筆者だけであろうか。