日本の自動車産業は、欧米からの技術導入に始まり、約100年の歴史がある。直近では、2014年の国内大手自動車メーカーの生産台数は、総計約2640万台(国内約920万台、海外約1720万台)に達するなど、一大産業に育っている。
しかしながら、ここに来て100年に一度の変革期を迎えているとみる。その一つはパワートレーンの潮流変化である。これまでのガソリン車から、ディーゼル車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、それに直近の燃料電池車など多様化が進んでいる。そして、今後は2020年頃に向けてこの多様化の時代から次第に淘汰され、絞り込まれる時期に向かうとみる。
もう一つはクルマの役割変化にある。e-mobilityと呼ばれる大きな電池を有し、充電可能な電動車両は、これまでの移動手段・環境への貢献に留まらず、その持つエネルギーの大きさから社会インフラの一部として活用が期待されている。それに伴い、自動運転車など、IoTによってクルマを制御する部分がメカを支配する構造が生まれようとしている。
このような環境の中、従来の自動車メーカー、部品メーカー、それ以外の周辺を形成する電気・電子メーカー、住宅メーカー、IT・通信メーカー等に対して、これまでの区分によらない第三者的な立場から全体を俯瞰し、将来の方向を見出して提案・支援を行う組織が必要との考えに至った。
来るべき電動社会に向けて、e-mobility(電気自動車、プラグインハイブリッド車等)および周辺産業はどうあるべきか、進むべき道筋を探究し、各種施策を提案するとともに、第三者的に支援を行うため、株式会社
日本電動化研究所の設立を行う。
2015年6月1日
株式会社 日本電動化研究所
代表取締役 和田 憲一郎