2017年12月24日、第11回の「日中省エネルギ・環境総合フォーラム」が開催され、全体会議および分科会である「自動車の知能化・電動化分科会」に出席した時のことです。
分科会の発表は、従来からの自動車メーカーや政府機関のみならず、配車サービス会社である「滴滴出行(ディディチューシン)」副総裁の王欣氏も講演されました。
滴滴出行といえば、Uberの中国版とういイメージが強かったのですが、ご自身がコンピュータサイエンス技術者であり、ボストン大学MBAも持つ王欣氏によれば、滴滴出行は従業員7000人の半数がビッグデータやAIに関連するエンジニアにて構成されており、彼らの目標は、「自動車と交通業種の変革を牽引する世界トップの科学技術型会社」を目指しているとのこと。
どうも、単なる配車サービス会社ではないなと、思わずビリビリ!ときた瞬間でした。
彼らの使命は、人口が都市部に集中する中で、都市部で失われつつある交通システムをシェアリングエコノミーを通じて補完しようとしていること。また、ドライバーの運行状況や危険運転行為を監視して交通事故を減らし、お出かけを安全にしようとしているとのことにあるようです。
さらに、最近では、都市の交通管理機関との提携を通じて、知恵型信号の導入や方向可変車道など、ビッグデータやAIを活用した新しい知恵型交通解決プランの導入を図っているとのこと。これは取りも直さず、民間でありながら公共交通機関の役割も果たしているように思えました。
最近、よくMaaS(Mobility as a Service)と言う言葉を聞きます。MaaSは、公共交通機関やレンタカー、タクシー、レンタサイクルなどを組み合わせて人の移動を行うサービスのことですが、まさに滴滴出行がその役割を既に行っているのかもしれません。自動車メーカーとは異なる、新たなビジネス形態の一端を見た一日でした。