設計にも美しさが必要では
先週、私共が主催する「一般社団法人自動車100年塾」にて、VW ID.3の分解・視察ツアーを開催した。緊急事態宣言が解除されたこともあり、昨年より多くの方々にご参加いただき感謝申し上げたい。
さて、筆者の勝手な持論であるが、かねがね優れた商品には設計も美しさが必要であると思っている。クルマでいえば、エクステリア/インテリアのみならず、パワートレインなどの設計に対してもである。
今回のVW ID.3はどうだろうかと視察したが、結論から言えば、それとはほど遠いものであった。バッテリーパックのレイアウトや、インバータなどパワエレ部品のレイアウトおよび内部構造など、大きく、重く、込み入っていて、思わずう~んと唸ってしまったのである。言葉は悪いが、設計的には「まだまだこなれていない」なと。
昨年のテスラモデル3視察では、洗練された設計を見てきただけに、余計にそう感じたのかもしれない。ID.3はVWが本格的にEVシリーズとして開発したクルマであり、多くの制約の中で、エンジン屋さんが悪戦苦闘しながら、なんとかEVを設計したのではないかと想像した。
しかし、VWの実力はこんなものではなく、次のID.4は大きく向上していると思われる。VWがいかにEVメーカーとして脱皮していくのか、楽しみに待ちたいと思う。