荒天の予感と、中国のNEV修正案にビックリ!
先週、三菱自動車工業、日産自動車、さらにはダイムラーなどの2019年第1四半期 決算発表があった。いずれも営業利益が大幅減少している。ダイムラーは排ガス対策 などで1600億円の赤字となったようだ。予想されていたとはいえ、かなりビックリ した方も多かったのではないだろうか。まさに荒天の予感である。
そのような中、中国政府は2021~2023年までのNEV規制修正案を発表した。 これまで確定していた2019年、2020年に対して、多くの要素を変更する案である。 筆者が最もインパクトが大きいと思ったのは、新エネ車のクレジット変更である。
これまで、例えば走行距離200kmのEVであれば、3.2クレジット/台得ることが出来たが、 今回の改訂では1.6クレジット/台と半減している。 PHEVは2割減少、FCVも半減しており、このような車両1台あたりの突然のクレジット変更は 自動車メーカーの企画担当者や開発担当者のやる気を一気に削ぐような気がしてならない。 年もまたぐと、クルマの価値が半減してしまうようなものである。
NEV比率は2021年(14%)、2022年(16%)、2023年(18%)とこれまで同様に2%上昇を 提案しており、もし新エネ車の普及拡大を意図するのであれば、このレベルを上げても 良かったのではないかとも思える。 中国の自動車販売台数は今年上半期で対前年比12%減となっているが、一方、新エネ車は 53%増で推移している。
何か政策担当者は、新エネ車の伸び率をどうすべきか迷いがあっての 提案のように見受ける。NEV修正案は8月9日までに意見を受け付けるとのことであり、 今後、年末の決定まで激しい議論が続くのではないだろうか。