2026年5月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2026年5月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

それでもEVは伸びている

最近、EVシフトに対するネガティブな報道が目立つものの、5月21日にIEA(国際エネルギー機関)が公表した「Global EV Outlook 2026」を読むと、状況は必ずしも悲観すべきものではない。同報告書によれば、2025年の世界EV(BEV+PHEV)新車販売台数は2,000万台を超え、前年比+20%を上回るとのこと。

米国の販売低迷がニュースで強調されがちだが、実際には中国、欧州、ASEAN諸国などで大幅な伸びを示している。100か国以上でEV販売が過去最高を記録し、そのうち3分の1の国ではEV販売シェアが10%を超えたという。

さらに2026年も、イラン紛争による石油供給不安が深刻化することでEV需要が一段と高まり、新車販売台数は2,300万台、販売比率は28%に達すると予測している。

2035年についても、EVの勢いは衰えず、世界の新車販売の50%をEVが占めると見通す。これは裏を返せば、内燃機関車やHEVが徐々に市場から後退していくことを意味する。ただしIEAは、単にEVであれば良いということではなく、AIが自動車産業を再構築しつつあると警鐘を鳴らす。

また、第二次トランプ政権下で多くの環境規制が撤廃されたものの、次期大統領選挙は2028年11月7日と迫っており、あと2年5ヵ月余りで政策が再び大きく揺り戻される可能性もある。こうした不確実性も踏まえる必要があるだろう。

北米におけるEV減損処理を受け、内燃機関車やHEVへの回帰を模索する日本メーカーは、この構造変化をどのように捉えているのだろうか。現在、EV市場における競争軸は、もはや電池やe‑Axleといった物理的基盤技術のみでは規定されない段階へと移行している。

これらの技術を前提条件としたうえで、車両とAIの高度統合をいかに実現するかが、次世代モビリティの競争力を左右する決定的要因となるのではないだろうか。

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