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2022年4月11日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

Giga Texasにみるテスラのタイムマネジメント

米国時間2022年4月7日夜、テスラは「Cyber Rodeo at Giga Texas」と銘打ってGiga Texas工場のオープニングセレモニーを開催しました。

ちょうどライブ配信されていたので観ていたのですが、そこで感じたのは、工場建設もしかり、このような大規模なイベントも含めて、「タイムマネジメント」が徹底していると思ったものです。

ご存じのとおり、テスラはYoutubeにて、Giga Shanghai、Giga Berlin、Giga Texasを工場建設開始から完成、現在の進行状況までほぼ毎日ドローンにて公開しています。

私も毎日チェックしているのですが、今回のイベント準備が始まったのは確か3日前の4月4日頃でした。それまで何もなかったにもかかわらず、どれくらい前から準備してきたのか分かりませんが、あっという間にCyber Rodeoの準備が整ってしまいました。

驚かされたのは、外側だけでなく、工場内のディスプレイや生産設備にまでショーアップが施され、当日の映像などと連動していたことです。

日本の新工場では、まだ完全に完成していない段階でのお披露目など、想像できませんが、テスラの方々は楽しんで準備しているように思えました。それが証拠に、Giga Berlinではスーツ姿で硬い表情だったイーロンも、今回はいつものお茶目な姿に戻っていました。

孔子の格言「努力する者は楽しむ者に勝てない」を思い出してしまった次第です。

<ご参考>

Flying Through Giga Berlin
https://www.youtube.com/watch?v=7-4yOx1CnXE

Cyber Rodeo at Giga Texas
https://www.youtube.com/watch?v=fiwUE_2JhvY

2022年3月14日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

ついにNHTSAより自動運転車に関する法規案がリリース

 米国では多くの自動車メーカー(Waymo、Cruise、Argo AI、Tesla)などが公道にて自動運転車の走行を行っているものの、自動運転車に関する明確な法規はこれまで存在しませんでした。

 しかし、このたび米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が2022年3月10日、初めて自動運転車に関する連邦自動車安全基準(FMVSS)草案を設定しました。

 この報道に対して驚くと同時に、その内容に着目しました。草案では155ページの法規となっており、ざっとみただけですが、NHTSAがこの自動運転車に関する苦悩が感じられます。

 冒頭、NHTSAは、自動運転システム搭載車(ADS:Automated Driving System)の開発および配備の可能性については、不確実性が存在し続けるということは認識している。しかし、NHTSAはADSの新しい設計を見越して、この時期に措置を確定させることが適切であると述べています。

 またステアリングなどもないADSが存在することを想定し、”運転席”の定義として、「手動で操作する運転装置にすぐにアクセスできる指定された座席位置を示す」と、従来の考えを根本的に変えています。

 まだまだ驚くことが満載ですが、一つこのような基準ができることによって、米国では自動運転車の実現が近づいていくのではないかと予想します。

 おそらく、NHTSA法規を参考にしながら、欧州、中国なども自動運転車に関する法規が作成されていくのではないでしょうか。

https://jp.techcrunch.com/2022/03/11/2022-03-10-nhtsa-first-autonomous-vehicle-occupant-safety-standards/

2022年2月9日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

EVやインフラを学びたい方に朗報です

 昨今、EVや充電インフラがブームになるにつれ、正しい基礎知識を多くの方に身につけていただくことが、日本の将来にとって有益ではと思っておりました。そのため、EVや充電インフラの基礎の基礎を学ぶことのできるオンデマンド教育講座を何とか開催できないかと企画を温めてまいりました。

 本件の実現に向けて、日頃コラムを寄稿しているアイティメディアの方々と、長い期間、詳細な調整を行ってきた結果、日本を代表する方々からも基調講演の快諾をいただき、「EVアカデミー2022」として告知をリリースする運びとなりました。

 当該オンデマンドセミナーは有料となりますが、自動車関連企業にお勤めの方、また今後EVや充電インフラに参入を考えている企業の方にとっては、基礎の基礎を学ぶことのできる、またとない機会ではないかと思います。

 さらには、この4月から新入社員となる方にとっても、このような基礎知識を身につけておくことは将来役に立つのではと思っております。企業の責任者の方々、基礎を学びたいと考えておられる方、周りの方々にご紹介していただけると幸いです。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/special/mo220190/index.html

2022年1月31日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

幸運の女神には前髪しかない

 この格言は、ギリシア詩集から来ているようだ。意味は、幸運(チャンス)の女神は前髪しかないため通り過ぎた後、あわてて捕まえようとしても後ろ髪がなく掴む場所がないとのこと。

 髪があまりない私が言っても説得力はないが、せっかくのチャンスが来ても、じっくりと考えていると、チャンスを掴むことはできないというは確かな気がする。

 さて、今年は1908年にT型フォードが誕生して以来、ちょうど114年目。まさに時代が「自動車」から「モビリティ」へと大変革が起きようとしている。これはリスクでもあり、またチャンスでもある。

 おっと、幸運の女神は、今、目の前を通り過ぎていこうとしている。

2021年12月20日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 社会インフラは2つが限界

急速充電の協議会であるCHAdeMO協議会が発足した2010年当時、関係者でよく「社会インフラは2つが限界ではないか」と話していた。

どういうことかと言えば、既存のガソリンスタンドがあり、CHAdeMO協議会では、電気自動車用の急速充電スタンド設置を積極的に進めていた。但し、狭い日本ではこのような社会インフラは2つが限界ではないかと考えていたのである。

その後、燃料電池車用の水素ステーション設立の話も持ち上がってきた。これでは、ガソリンスタンド、急速充電スタンド、水素ステーションと3つが存在し、将来はたしてどちらが生き残れるのかと懸念していた。

現在は、関係者の努力もあり、国内の急速充電器基は8000基に達している。先週、トヨタが2030年にEVのグローバル販売350万台を目指すと公表した際、「急速充電器も2025年ぐらいを目がけて全国の販売店に設置する」と言及している。

トヨタは国内の販売店舗が約6000店あり、これら全ての販売店に急速充電器を設置するとなると、2025年にはこれまでの設置数と合わせて14000基に達する。

一方、水素ステーションは整備中も含めて現在170カ所に過ぎない。今後の方向性として、ガソリンスタンドが減少し、急速充電スタンド1極になるのか。はたまた中国のように、電池交換スタンドがガソリンスタンドに次第に取って代わっていくのか、やはり社会インフラは2つが限界かなと思ってしまう。

2021年11月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

設計にも美しさが必要では

 先週、私共が主催する「一般社団法人自動車100年塾」にて、VW ID.3の分解・視察ツアーを開催した。緊急事態宣言が解除されたこともあり、昨年より多くの方々にご参加いただき感謝申し上げたい。

 さて、筆者の勝手な持論であるが、かねがね優れた商品には設計も美しさが必要であると思っている。クルマでいえば、エクステリア/インテリアのみならず、パワートレインなどの設計に対してもである。

 今回のVW ID.3はどうだろうかと視察したが、結論から言えば、それとはほど遠いものであった。バッテリーパックのレイアウトや、インバータなどパワエレ部品のレイアウトおよび内部構造など、大きく、重く、込み入っていて、思わずう~んと唸ってしまったのである。言葉は悪いが、設計的には「まだまだこなれていない」なと。

 昨年のテスラモデル3視察では、洗練された設計を見てきただけに、余計にそう感じたのかもしれない。ID.3はVWが本格的にEVシリーズとして開発したクルマであり、多くの制約の中で、エンジン屋さんが悪戦苦闘しながら、なんとかEVを設計したのではないかと想像した。

 しかし、VWの実力はこんなものではなく、次のID.4は大きく向上していると思われる。VWがいかにEVメーカーとして脱皮していくのか、楽しみに待ちたいと思う。

2021年10月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

EV用電池メーカーの戦略的育成が急務

 先週から、海外でのEVに関するニュースが相次いでいる。ロイターは、アップルがEV電池調達で、CATLおよびBYDとの協議が不調に終わったと伝えた。筆者の記憶でも半年以上前からの協議ではなかったかと思われる。代替えとしてパナソニックの名前も挙がっているとか。

 また、台湾の鴻海(ホンハイ)は、EV試作車3種類を公開した。裕隆汽車製造(ユーロン)と共同で設立した新会社「鴻華先進科技」が車両開発し、MIHと呼ばれる1000社を超えるサプライヤーと協力して開発を進めるとのこと。

 しかしである。どんな大きなメーカーや壮大なビジネス構想であっても、EV用電池供給先が定まらなければ開発・生産が出来ない。車両開発の前に、電池メーカーの選定と仕様決定、それに伴う投資判断が先となる。これらから推測するに、アップル、鴻海ともまともなEVを作るには相当の時間を要するのではないだろうか。

 実は日本も同様である。2020年のEV/PHEVの販売台数は、新車販売台数のわずか0.6%である。これを大幅に引き上げようとすると、廉価で大量にEV用リチウムイオン電池を開発・生産できることが必須となる。

 残念ながら、現在の日本には、パナソニックも含めて、そこまで電池を供給できるメーカーが存在しない。政府はグリーン成長戦略の一環として、「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」ことを掲げている。その実現のためには、国内のEV用電池メーカーの戦略的育成、もしくは合従連衡が喫緊の課題のように思われる。

2021年9月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 EVバッテリー交換方式が一つのジャンルとして形成

 最近、普通充電器や急速充電などの充電インフラについてよく聞かれる。しかし、それとは別にEVバッテリー交換方式も一部では普及拡大している。昨年末、中国にてNIOやEVトラックにて採用が多くなっているとの情報があったが、改めて調べてみると、乗用車ではNIOのみならず、大手の北汽新能源なども採用している。

 さらに採用が急増しているのがEVトラックである。大型バッテリー(2mx2mx1m)を運転席と助手席の背面に設置し、クレーンで容易に交換できる構造としている。これまでは、ルートが決まっているEVトラック(例えば、鉱石が産出する山間部と港など)に対して、バッテリー交換方式が採用されてきた。最近では、その採用が北汽福田、上汽依維柯紅岩、華菱などトラックメーカー5~6社に拡大している。既に実績は1万台を超えているようだ。

 理由として、まず第一に車両価格の安さが挙げられる。バッテリーレス価格で販売するため、大型バッテリー搭載車両と比較すると価格差が大きい。トラック事業者はバッテリー交換費用のみを支払えば済むこととなる。

 また、EVトラック用のバッテリーは急速充電でも2~3時間と長い時間を要するが、バッテリー交換方式はわずか5分程度で可能となる。このため、EVトラックが走行するルートに、バッテリー交換ステーションを2~3カ所設置するだけで対応可能である。これは超急速充電規格ChaoJiにとっても脅威であろう。

 そして、バッテリー交換方式を可能にしているのが、電池を供給する世界最大の電池メーカーであるCATLの存在があるようだ。CATLがトラックメーカーを集め、バッテリーサイズ、取り付け方法など、EVバッテリー交換に必要な要件を標準化して進めたとのこと。

 今後、EVトラックが全てバッテリー交換方式となることはないが、中国のようにルートが決まったところを、ほぼ毎日走行するトラックなどは採用が増加し、バッテリー交換方式が一つのジャンルとして形成していくと思われる。

 残念ながら、日本にはそのような電池メーカーもなく、同じルートを走るトラックも少ないことから、実現性は乏しい。

2021年8月16日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

デジャヴな米国自動車業界

現在、米国の自動車メーカー、ディーラーが空前の活況を呈しているとのこと。発端は半導体不足である。携帯やゲーム機器などに限らず、汎用品の多い自動車業界にも半導体不足の影響が及び、減産を余儀なくされている。これは日系自動車メーカーも同様である。

それにともない、販売可能なクルマが一気に少なくなってきた。いわゆる玉不足である。こうなると、日本とは商慣行が異なるためか、売り手市場となり、自動車メーカーはこれまで支払っていた値引きのためのインセンティブを廃止し、ディーラーは値引きではなく、通常価格にエクストラ料金を上乗せして販売し始めた。

いわゆる自動車メーカー、ディーラー丸儲けの構造である。以前にも、好評なクルマではこのような現象が幾度かあったが、今回はほぼ全般に及んでいることに違いがある。

しかし、ちょっと待って欲しい。米国自動車業界は2016年の1755万台をピークにここ5~6年は長期低落傾向が続き、自動車メーカー、ディーラーとも苦しんできた。これは人口が微増しているにも係わらず、ライドシェアなどを利用し、自動車を購入する人が減ったことなども影響していると思われれる。

今回の祭り(半導体不足)の後は、高値で買ったクルマと、中古車価格の落差などギャップに苦しむのではないだろうか。どこでも、祭りの後は寂しさがともなうが、はたして米国自動車業界はどうであろうか。

2021年7月19日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

織り込み済みのメーカーとサプライズのメーカー

欧州委員会は7月14日、ガソリン車など内燃機関の新車販売について、2035年に禁止する包括案を公表した。

これに対して驚かれた方も多いと思う。また欧州自動車工業会は「特定の技術を禁止することは合理的でない」と表明し反発している。

しかし、筆者から見ると、欧州委員会は、法案提出権を持つ実質の行政執行機関であり、このような重要法案に対して、事前に水面下で欧州連合理事会や、各国の市民代表である欧州議会に対して根回しをし、ほぼ法案通過の見込みがついたこと、また包括案の準備が整ったことから、公表に踏み切ったとみることが妥当ではないだろうか。

つまり欧州委員会は数か月前から事前交渉していたのであり、欧州自動車工業会はガソリン車業界に配慮して反発のポーズをみせているものの、VWなど大手自動車メーカーに表立った動きはない。本案は既に織り込み済みなのである。

ひるがえって、日系自動車メーカーはニュースに驚き、戦略の見直しを迫られている。欧州環境規制は、環境への配慮の面と、地域への戦略的な産業振興という面もある。包括案にて規制の前倒し競争は終止符が打たれ、一気にEV化が加速していくと思われる。