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2019年5月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

CATLは中国の技術と生産設備で

 私どもが主催している一般社団法人 自動車100年塾のワークショップは、昨日 第17回目となり、基調講演には、新エネ車用電池で世界最大となったCATL (Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.,寧徳時代新能源科技)の 日本法人 取締役社長である多田直純様を迎えました。

 基調講演で印象的だったのは、CATLがTDKの子会社ATLからスピンアウトし、その後 2011年に設立されたことから、私自身は、日本の電池技術や日本の生産設備を使用して いるのかと思っておりました。しかし、創業8年目にして技術者が約5,000人となり、 全て自前の技術開発をしているとのこと。

 さらに、生産設備もセルオーダー後18ヶ月で完成・評価まで行うため、全て中国製の生産設備を 用いており、日本メーカーから設備導入の要望があるものの、スピードについていけないため 参入できていないとのことでした。

 想像を超えた展開に、まさにビリビリ!ときた瞬間でした。他にも多くの気づきがありましたが、 2019年に50GWhを越える生産能力となり、2024年には300GWh以上を目指す企業に対し、 日系自動車メーカー、日系電池メーカーはどう対応すべきなのか考えさせられた講演となりました。

 スピードにスピードで対抗するのか、はたまた異なる方向性を目指すのか、戦略の見直しを 迫られること必須だと思った次第です。