05月

2018年5月10日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

観光都市の機能保全とは

GWは久しぶりにパリを訪問しました。そこで改めて気がついたことがあります。

最初のパリ訪問、約10年前のことですが、オートリブと呼ばれるカーシェアリングがまだ計画段階の時に、パリ市役所の方は、大気汚染などで美術館などの外観が傷んでおり、ゼロエミッションを普及させることにより、観光都市としての機能を保存したいと切実に言っていたことを思い出しました。

そして、今回改めて、ルーブル美術館など多くの美術館を見てみると、外壁部の上側に歴代の皇帝やキリスト教司教などの像が数多く飾ってあるですが、これが黒ずんで、かつかなり傷んできていることが伺えます。

以前は、美術品など室内にあるため、大気汚染の影響などそれほどないのではと、あまり気にしていませんでしたが、今回そのような視点で眺めると、パリ市の危機感が現実になってきていることを実感します。まさにビリビリ!ときた瞬間でした。

昨年、フランスはガソリン車・ディーゼル車の廃止を2040年までに実施すると公表した後、パリ市のアンヌ・イダルゴ市長は、それでは遅い「時は迫っている」として、2024年までにディーゼル車を、2030年までにガソリン車のパリ市内乗り入れを禁止すると、フランスに先駆けて規制を強化することを表明しています。

欧州には、パリ以外にも多くの観光都市が存在し、早かれ遅かれ同じような活動を展開していくのかもしれません。この流れは止められないように思えます。