2026年

2026年1月27日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

AIが作り出すワークスロップ(Workslop)の弊害

テスラや中国自動車メーカーなど、AIを活用した自動車開発の事例が増えてきた。一方で、AI活用にまつわる困った話も海外では報告されている。その代表例が、昨年末から海外で広まっている言葉「ワークスロップ(Workslop)」だ。

ワークスロップとは、AIが生成した質の低いコンテンツを指す造語である。slop は「粗悪な混ぜ物」や「家畜のエサ」を意味し、それに work を組み合わせることで、「見た目はそれらしく整っているが、中身が伴わず価値のないコンテンツ」を揶揄する言葉として使われるようになった。実際、最近はレポート、プレゼン資料、作成画像など、表面だけ整ったコンテンツが増えている印象を受ける。

先日も、ホワイトハウスより、トランプ大統領がグリーンランドでペンギンと歩いている画像が投稿された。しかし、ペンギンは南極にしか生息しないため、世界中から総ツッコミを受けた。
https://www.chunichi.co.jp/article/1198389

ワークスロップは、スタンフォード大学ソーシャルメディアラボとBetterUp Labsの研究者が2025年9月に発表した論文で定義された概念であり、ビジネス誌Harvard Business Review(HBR)に掲載されたことで一気に世界へ広まった。

ワークスロップが企業にもたらす弊害は小さくない。体裁だけ整った資料が提出され、上司が再チェックや修正に追われることで時間が奪われるほか、チーム全体の信頼性低下にもつながっている。

その背景には、アウトプットを検証せずAI結果をそのまま提出してしまうことや、スピード重視の評価制度のため、とりあえず報告書を提出しがちであること、さらには課題や解決策をAIに丸投げしてしまい、人間が思考停止に陥っていることなどが指摘されている。

日本でも今年流行すること間違いなしのワークスロップ。心当たりがあり、少しドキッとしている人も多いのではないだろうか。