株式会社 日本電動化研究所
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2018年1月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

年明けから米国家電見本市(CES)にて、グーグルとアマゾンによるAI産業革命が話題となっています。電機、自動車ではなく、いよいよAIを武器にIT企業が名乗りを出るのが今年かもしれません。

さて、最近ビリビリ!ときた話は、日経ビジネスの「ダイソン特集」です。
ご存知のように、ダイソンはEVに参入することを表明していますが、どのように開発するのか興味を持っていました。

特集によれば、ダイソンの開発手法は極めてシンプルとのこと。
1.design(デザイン)、2.build(試作)、3.test(検証)、4.break(破壊)の4つのプロセスを行うだけのようです。

しかし、特徴はこれらの中で見つけた課題を、最初の1.design(デザイン)に立ち戻り、ループを繰り返すことにあるようです。サイクロン掃除機の開発では、このループをなんと5000回以上繰り返したとのこと。本当に驚かされます。

通常、クルマの開発でも問題点を発見し、その対策を行いますが、どうしても開発日程や開発費用のことが頭にあり、あるレベルに達すると、途中で妥協してしまうことは多々あります。徹底的に納得するまでモノを開発する、また市場に出てからも次々と改良を続ける姿勢は、日本のモノづくりの精神を、ややもすると上回るのかもしれません。

とにかく、早く効率的に開発することを優先しがちな現代のビジネスの中で、ダイソンのような企業から、どのようなEVが誕生するのか楽しみに待ちたいものです。

2017年12月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2017年12月24日、第11回の「日中省エネルギ・環境総合フォーラム」が開催され、全体会議および分科会である「自動車の知能化・電動化分科会」に出席した時のことです。

分科会の発表は、従来からの自動車メーカーや政府機関のみならず、配車サービス会社である「滴滴出行(ディディチューシン)」副総裁の王欣氏も講演されました。

滴滴出行といえば、Uberの中国版とういイメージが強かったのですが、ご自身がコンピュータサイエンス技術者であり、ボストン大学MBAも持つ王欣氏によれば、滴滴出行は従業員7000人の半数がビッグデータやAIに関連するエンジニアにて構成されており、彼らの目標は、「自動車と交通業種の変革を牽引する世界トップの科学技術型会社」を目指しているとのこと。

どうも、単なる配車サービス会社ではないなと、思わずビリビリ!ときた瞬間でした。

彼らの使命は、人口が都市部に集中する中で、都市部で失われつつある交通システムをシェアリングエコノミーを通じて補完しようとしていること。また、ドライバーの運行状況や危険運転行為を監視して交通事故を減らし、お出かけを安全にしようとしているとのことにあるようです。

さらに、最近では、都市の交通管理機関との提携を通じて、知恵型信号の導入や方向可変車道など、ビッグデータやAIを活用した新しい知恵型交通解決プランの導入を図っているとのこと。これは取りも直さず、民間でありながら公共交通機関の役割も果たしているように思えました。

最近、よくMaaS(Mobility as a Service)と言う言葉を聞きます。MaaSは、公共交通機関やレンタカー、タクシー、レンタサイクルなどを組み合わせて人の移動を行うサービスのことですが、まさに滴滴出行がその役割を既に行っているのかもしれません。自動車メーカーとは異なる、新たなビジネス形態の一端を見た一日でした。

2017年11月30日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

不思議なものです。本年7月にフランス、英国が2040年までにガソリン車・ディーゼル車の廃止を公表して以来、海外から日本に来る自動車関係者は「ところで日本はどうするのか?」と聞くことが多くなりました。

中国でも米国のZEV規制にならって、NEV規制を2019年から導入することを公表したばかりです。例えば、中国で年間100万台のガソリン車を販売している企業は、2019年は、EVであれば約3万台、PHEVであれば約5万台の新エネ車販売が義務付けられます。これは2019年はガソリン車比率に対し10%ですが、2020年には12%になり、
その後、将来の数値は明らかになっていませんが、急激に厳しくなるように思えます。

海外から見ると、欧州(CO2規制、ガソリン車廃止)、米国(ZEV規制)、中国(NEV規制)とくるため、冒頭に述べたように「日本はどうするんだ?」となるのかもしれません。

これらの質問を受けるたびに、逆に「ビリビリ!」ときてしまいます。
小職から見ると、日本ではいろいろな政策が何となく待ちの状態になってしまう。そんな気がしてなりません。

なお聞くところによれば、政府は2017年10月に、人工知能(AI)に代表される「第4次産業革命」など世界的な産業構造の変化に対応し、IoT、EVなど日本企業の競争力強化を探る新組織として「グローバル産業本部」を設置したとのこと。より強力、かつ大胆な政策の立案と実行に期待したいものです。

2017年10月13日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週「CEATEC JAPAN 2017」が閉幕しました。昔で言えばエレクトロニクスショー、最近ではCEATECと名前が変わり、今年のテーマはCPS(Cyber Physical System)とIoT(Internet of Things)とのこと。

それにしても思うのですが、開催期間は僅か4日間。海浜幕張の大きな会場を借りて大がかりな展示を行い、やっと出来たと思ったら、すぐに壊してしまう。なんとも、もったいないイベントです。

今年のテーマについても、これまで各機器に組み込まれたソフトウェアが、IoTを通して接続されることで「Connected」の世界が実現するというメッセージを伝えていました。しかし、各社の展示は各機器を並べたばかりであり、全体としてどう繋がっていくのか、またConntecedの世界がどのように実現するかはよく判りませんでした。

また、繋がるものの筆頭である自動車は、ホンダの燃料電池ステーションBOXが展示してあるのみで、他の展示はありません。CEATECは、電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3社が主催しており、自動車関係は含まれておりません。これも日本の縦割りが強いからでしょうか。

一方、10月末から始まる東京モーターショーは自動車主体ですが、近年は米国、ドイツを除く欧州なども参加を見送り、すっかりローカルモーターショーとなってしまいました。

CEATECもこのような内容であれば、毎年開催する必要はなく、東京モーターショーと一緒になって、ロボット、モビリティとIoTがどのように繋がり、どんな未来を切り開いていくのかを世界に発信する”場”とすることも良いのではと思えてなりません。

今回は逆の意味でビリビリ!ときた次第です。

2017年9月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週、所用にてベトナムのハノイに行ってきました。これまでカンボジア、タイ、ミャンマーなどは行ったことがあったのですが、なぜかベトナムとご縁がなかったのです。

今回はハノイ周辺のみでしたが、初めての印象はとにかく若い国だなということでした。聞いてみると、平均年齢が約28歳とか。ベトナム戦争の影響もあるのでしょう。とにかく年配の人を見かけることがとても少なく感じました。

また、それほど娯楽が発達していないせいでしょうか。昨年9月より、ハノイ中心部にあるホアンキエム湖(周囲約2km)の外周が金曜夜から日曜夜まで歩行者天国となり、大勢の若者がクルマやバイクで繰り出してきます。

路には、大道芸、ストリートミュージシャン、大縄跳び、綱引きなど、とにかく多種多芸で、若者がニコニコ顔で大騒ぎしています。聞くところによれば、ベトナム人は家の中にいるより、外で遊ぶことが好きなので、このような歩行者天国はちょうど良いアイデアなのではないかと。

また、あまりにもバイクが多いので、空気は悪いし、どうなっているのかと聞いたところ、ハノイ市が、2030年までに段階的にバイクをハノイ市内に入ることを制限し、2030年には全面禁止とすることを本年7月に決議採択したとのこと。いよいよアジア・アセアンにも環境問題が飛び火しており、思わずビリビリ!ときてしまった次第です。

おそらく10年後に再び訪ねると、かなり風景が変わっているのかもしれません。
また、9月23日の日本のニュースでは、BYD董事長である王伝福氏が、中国が2030年にガソリン車を禁止するのではとの見通しを示しました。

ひょっとしたら、後から振り返ると、2017年が自動車が生まれて130年目にして、ガソリン車からEVに大転換を図った”ターニングポイント年”となるのかもしれません。これを危機ではなく、チャンスととらえ、立ち向かいたいものです。

2017年8月31日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週から今週にかけて、日中経済協会主催の「2017年日中経済協力会議」に参加するため、中国の遼寧省、吉林省を訪れており、昨夜帰国しました。その間、北朝鮮によるミサイル発射などもあったのですが、中国での扱いは極めて小さく、インドとの国境にて小さな武力紛争があったため、その報道が多く、国による違いを感じたものです。

さて、本題ですが、吉林省の省都、長春を訪れた時のことです。街の中をみると異常に白いクルマが多いことに気がつきました。また、紅旗で有名な第一汽車を訪れた時は、なんと95%が白いクルマを生産していたのです。担当者に聞くと、白いクルマが売れるため、集中して生産しているとのこと。

確か日本でも、高度成長期は「白いクラウン」が流行り、またバブル期には「スーパーホワイト」と銘打ったマーク2に、松本幸四郎が乗っていたことが思い出されます。

吉林省の長春では、昨年2月に中国の国家プロジェクトとして「長春新区」が設定され、超巨大な開発が進んでいるとのこと。白いクルマが流行るということは、明日は今日より良い日が続くというように人々が思っている。まさに昔の高度成長期と同じだと思い、思わずビリビリ!ときてしまいました。

今回訪問してみて、北京、上海とは異なる地域にて、超巨大なプロジェクトが進みつつある、そんな中国の懐の深さを感じたものです。

2017年7月10日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週は、自動車業界の動向を考える上で、大きなニュースが幾つかありました。
ボルボによる全車種電動化(2019年~)や、フランス政府による2040年までのガソリン車、ディーゼル車販売禁止のニュースです。

しかし、私が最もビリビリ!ときたのは、中国のネット検索最大手である百度による、自動運転に関するコンソーシアム「アポロ計画」の発表でした。今回はこれについて少し述べてみたいと思います。

アポロ計画は、百度を中心として、フォード、ダイムラー、中国自動車メーカー、デルファイ、コンチネンタル、ボッシュなどの部品メーカー、エヌビディア、インテル、マイクロソフトなどのIT企業等、50社が集結しています。

残念ながら、ここには日系自動車メーカーや部品メーカーの姿はなく、後塵を拝した形となっています。ショックを受けた方も多かったのではないでしょうか。米独中連合であり、これだけ強力な企業が集まると、ここでの自動運転に関する議論は、事実上のデファクトスタンダードとなるかもしれません。

しかし、まだ結論づけるのは早いと思っています。
自動運転は、自動車メーカーが主導というより、IT企業が中心となって主導するのではと考えてきましたが、それが現実になりつつあります。

そうであれば、もう一方のジャイアントであるGoogleやAppleはどうするのでしょうか。また技術的に進んでいるVW、BMW、GM、トヨタ、ホンダ、日産、さらにはそれを支える日系部品メーカーはどう出るのでしょうか。

今回は百度のリードによりコンソーシアムが発足しましたが、中国企業はまだ技術的に途上のこともあり、今後は別のジャイアントであるIT企業を中心として、本当の意味で世界最先端な第二極のコンソーシアムが生まれてくる気がしてなりません。その時、日系企業にも参入の機会が出てくるのではないでしょうか。今後も注目して
いきたいと思います。

2017年6月20日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先般、30ヶ国、1万人以上の技術者ネットワークを通じて、技術や発明を推進している Xinova(ジノバ)社の日本総代表である加藤幹之氏の話を聞く機会がありました。

私もそれまでXinovaについては全く知らなかったのですが、Xinovaとは、Xin(中国語、韓国語、日本語で「新」の意味)と、Nova(ラテン語で「新」の意味)を掛け合わせて出来た会社名だそうです。続けて言えば新新(シンシン)、まるで上野動物園のパンダの名前と同じとのこと。

さて、加藤氏が言っていたことで、2つ気になったことがあります。
なぜ日本ではオープンイノベーションが進まないか、その理由として
・何でも自前主義でやらないと気が済まない、研究開発部門の排他性がある。
・自社の研究開発と、外部から調達する場合の、経済的、経営的、戦略的に切り分けることが出来る人が少ない。
などです。確かに、上記は日系自動車メーカーにて顕著であるかもしれません。その結果、何でも抱え込もうとして、工数が足りない、設備が足りない、新技術(IoT、AIなど)に精通した人がいないなどとぼやいてしまう。

逆に躍進が著しい中国自動車メーカーでは、逆に全てを自社で抱えるところが少なく、デザイン、マーケティング、CAE、実験、IoTなどのコネクテッド対応などすぐにアウトソーシングしている。

要求される技術が時々刻々と変化するため、その道の専門家でないと対応できないと判断しているからであろうか。

近年、日本でもオープンイノベーションの掛け声だけは大きいが、本当にどのように切り分けるのか、その目利きや全体をまとめるコーディネーターなどの人財が、今後もますます必要となってくるように感じた。

<ご参考:Xinova社>
https://www.xinova.com/

2017年5月22日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先般、「ネクスト・ソサエティフォーラム2017」に参加した時のことです。
フォーラムにてNPO法人 e-education代表の税所篤快(ざいしょ あつよし)さんと、早稲田大学教授の友成真一さんの対談がありました。

私はそれまで税所については全く知りませんでしたが、かなり有名人のようです。
税所さんは、中高生まではビリに近い成績だったのですが、一念発起して通信予備校のDVD授業を受けて、いきなり早稲田に合格したとのこと。

これに意を強くした税所さんは、お金や環境が整っていない地域で、このようなDVD授業をすれば、貧しい人でも大学に行けるのではと思い行動に移したようです。最初は、バングラデシュの貧しい村で、現地の著名な先生の講義をDVDに収め、高校生にDVD授業を行ううちに、国内最高峰と言われるダッカ大学に入学する学生が出始めたとのこと。

現在は、NPOを作り、ヨルダン、ルワンダ、パレスチナ・ガザ、インドネシア、ミャンマー、最近はアフリカの未承認国ソマリランドで、大学を設立するなど、まさに破天荒とも思える活動を展開しています。

それにしても、まだ28才の若者なのですが、とにかく命知らずで、無茶を承知で相手の懐に飛び込んでいく、その勇気に驚かされたものです。国として認められていない未承認のソマリランドに飛び込んでいくなど、見方によっては、頭のネジが1~2本どころか、10本ぐらい抜けていると思われるかもしれません。

しかし、地位やお金などのしがらみにとらわれることなく、自分のやりたいことを先鋭化して突き進んでいく、その姿勢にビリビリ!ときたものです。まさに奇人変人!でも、このような人が世界の中で必要とされる人なのかもしれません。

それに比べ、自分はどうも”守り”に入っているなと思い、新たな元気をもらった次第です。

なお、税所さんは世界銀行イノベーションコンペティション最優秀賞(2014年)も受賞しているとのこと。命を大事に、これからも益々のご活躍を祈りたいものです。

<ご参考:NPO e-education>
http://eedu.jp/about/outline/

2017年4月17日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

最近思いを強くしていることがあります。それは「クルマの電車化が加速する!」ということです。かなり突拍子な意見かもしれませんが、これついて少し述べてみたいと思います。

最近、ユーザーや、クルマの開発者などと話をしていて、クルマそのものへの魅力というより、クルマをどう使うかに関心を寄せている人が多いように見受けます。

カーシェアリングなどはその典型で、所有せず、人やモノを運ぶツールとして活用する。つまり、スタイリングや運動性能にはこだわらず、人がどれだけ乗れるか、楽器や荷物が運べるかなど、キャパにこだわっている人が多いように思えます。

また、自動運転車が話題となっていますが、では自動運転時に何をするかと問われれば、巷で言われているようにDVDにより映画を見たり、携帯を見たりすることもあると思いますが、忙しいビジネスパーソンを考えると、車内設備が充実していれば、客先に行く途中でTV電話会議を行い、客先に説明する内容の変更有無を確認する。終了後は、その結果をTV電話会議にて報告するなどが考えられます。

また、為替、株式、ニュースに関心がある人は、車内で会社の方と戦略会議を開くなど、まるで動くオフィスのような使い方をする人が多いのではないでしょうか。

将来、パーク&ライドで、JRやメトロから降りた方は、駅横にあるシェアリングカーにスイカで乗車し、そのまま会議をしながら相手先を目指す。そのような姿も想像できます。

これは言い換えると、クルマに求められるものが、従来の走る、曲る、止まるだけに留まらず、まるで電車を小型化し、2人乗り、4人乗り、6~8人乗りというようにキャパだけが異なるクルマがあれば、それを活用する時代が来るのではと思ってしまいます。

クルマ好きの方にとっては寂しいかもしれませんが、マジョリティは、パブリックとしてクルマを活用すること。もしJRやメトロなどの企業が50万台、100万台と発注すれば、要求仕様は、スタイリング重視より、電車のごとく、耐久性やメンテナンスの容易さに重点を置いたクルマとなることでしょう。もちろん、車内には電車のごとく、デジタルサイネージによる広告も装備されます。

そして、これがいつ到来するかと問われれば、トランスポ―テーション企業がそれも自社のドメインと決心した時であり、私見ですが10年以内に訪れるのではないでしょうか。

いずれにしても、自動車会社が独自性を発揮していく領域は、次第に縮小していくように思えてなりません。