水素エンジン車に関する規制はどうなるのか
気になるニュースが流れている。
米オートモーティブニュースによれば、トヨタ自動車など複数の自動車メーカーが水素を燃料に使うエンジン車を開発しているが、カリフォルニア州はこれをゼロエミッション車(ZEV)と見なさない見解とのこと。
まだ最終確定ではないかもしれないが、理由として、カリフォルニア大気資源局(CARB)は、水素エンジン車は二酸化炭素(CO2)はほとんど排出しないものの、窒素酸化物などの汚染物質が発生するため「ZEVの定義に当てはまらない」という見解を示しているようだ。
ではZEV規定に当てはまらないのであれば、内燃機関車の一部となるのであろうか。カリフォルニア州は、2026年から始まる新たな規制「Advanced Clean Cars II」を定めており、対象車は電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車のみである。
また規制は2026年に35%から始まり、その後、毎年要求比率が増加し、2035年には100%と定まっている。もし、当該ZEV規制の対象外となることは、開発している自動車メーカーにとって、意義を大きく損なうであろう。
さらに、欧州委員会が最終合意した「グリーンディール」政策の環境規制、つまり「ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車も含めた内燃機関車の新規販売を2035年に禁止する法案」に関しても影響を及ぼす。今後、欧州でも水素エンジン車の対応について議論が起こるのではないだろうか。
既にBMWなどは水素エンジンに見切りをつけ、BEVもしくはFCEVに舵をきっているが、水素エンジン車は今後どうなるのか、その規制動向について見守りたい。