2022年7月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2022年7月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 BYDの日本進出は黒船来襲に匹敵か

7月21日、BYDが日本で今後3車種のEVを販売するとの発表を聞いて、いよいよ来るべきものがきたと感じた。

BYDの強みは、これまで大量のEV生産・販売の実績、社内に豊富なソフトウェアエンジニアを抱えること、自社でリチウムイオン電池を生産できることにある。

ある意味、これはテスラにも当てはまり、王伝福氏、イーロン・マスク氏とカリスマ経営者が率いているところも同じであろう。

なぜ日本進出なのかとの問いに対して、私は3つを挙げたい。

1.日本市場のEV比率がまだ極めて低いこと
 国別でみると、日本市場は縮小したとはいえ、2021年の新車販売でも、中国、米国についで第3位(約445万台)に位置する。しかし、日本では、EVのシェアは0.5%に過ぎず、PHEVを合わせても1%である。ということは、これほど低いのであれば、これから伸びる可能性があると考えたのであろう。

2.EVバスでの経験が生きた
 BYDが日本にEVバスを持ち込んで以来、観光業者は価格が安く、世界で実績のあるBYDのEVバスを数多く導入してきた。BYDは、中国製車両が品質で厳しい日本で受け入れられるのかどうか慎重に検討してきたであろう。その結果、多くの導入実績から、例え中国製であっても、EVも日本市場に受け入れられると考えたのではないか。

 しかも、今回はテスラのようにオンラインではなく、約100箇所の販売代理店を構築しサービスを提供するとのこと。日本市場の顧客の実態にあった対面販売を採用し、橋頭保ではなく本腰を入れた戦略なのであろう。

3.日本の部品メーカーへのアプローチ
 もう一つ隠れた目的として、日本の部品メーカーへの関係深度があると思われる。BYDといえども、IGBTなど多くのパワエレ部品は日本企業に頼っている。ここでEVバスに続いてEV乗用車に進出することで、不足気味である半導体に関して、これまで以上に日系部品メーカーと繋がりを深めることができる、と考えたのではないだろうか。

 ひるがえって、日系自動車メーカーは、BYDの3つの強みに対する対応力が乏しい。BYDの正式価格はまだ公表されていないが、商品力は十分あり、リチウムイオン電池が自社生産であることから、意欲的な価格で攻め込んでくると考えられる。まさに、黒船来襲に匹敵するようなインパクトをもたらすのではないだろうか。

<ビーワイディージャパン株式会社のプレスリリース>
https://byd.co.jp/news/2022_0721_94.html

P.S.
乗用車の販売ならびに関連サービスを提供する100%出資子会社として、「BYD Auto Japan株式会社」の設立が同時に発表された。代表取締役社長に東福寺 厚樹氏が就任とのこと。東福寺さんとは三菱自動車時代に一緒に仕事をしたことがあり、この発表に驚かされた。

« »