2021年4月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2021年4月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

欧州発によるPHEVの終わりの始まりか

 実は、4月17日ロイターの報道に驚かされました。グリーンファイナンスに関するEU規則草案にて、2025年以降メーカーがPHEVを「サステナブル投資」に分類することを禁じるため、投資意欲を減退させる可能性があると報じたものです。

 まだ草案段階にも係わらず、これを報道することに驚かされるとともに、もし実現するとPHEVにとっては致命的になると思ったからです。

 欧州自動車メーカーは反発しているものの、2028年までの欧州製造計画では、EVが86車種製造される予定であるのに対し、PHEVはわずか28車種に減っているとのこと。現在、販売比率が50:50であることを考えれば、欧州自動車メーカーは草案を見通して、既に軸足をPHEVからEVに移しているようにも見えます。

 思い返せば、昨年9月に米加州のニューサム知事が、2035年に州内で販売される新型車は「ゼロエミッション車」を義務づけると発表した時、これで多くのガソリンスタンドが廃業となることから、結果的にPHEVも減るのではと思いました。

 しかし、それは米国の話であり、欧州ではまだ大丈夫との思いがあったのですが、まさかCO2規制やLCAではなく、サステナブル投資にてPHEVが規制の対象になるとは予想もしませんでした。まさに、欧州発によるPHEVの終わりの始まりなのでしょうか。

 欧州の動きを受けて、中国はもともとPHEV比率が少ないことから、NEVのPHEVクレジットを下げるなど、PHEVの価値(ポジション)を下げるかもしれません。

 日本では、これからPHEVだと思っている自動車メーカーもあると思いますが、世界は想像以上のスピードで動きつつあり、必死にくらいついていかないと生き残れないような気がします。

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