2019年3月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2019年3月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

多産多死を許容する社会だろうか

 先週、中国浙江省の杭州を訪問し、数多くのスタートアップやベンチャー企業と 交流する機会を得ました。それにしても驚いたことがあります。杭州には多くの スタートアップがあるのですが、それに対し国や省が巨大なビル施設を準備し、 彼らはその中で活動を行っていることが多いのです。

 IoT、FinTech、AI、VR、ヘルスケア、バイオなど、ざっと訪問しただけでも、 それぞれが100から200のグループがあり、浙江省全体では1000を超えるスタート アップが活動しているのではないでしょうか。 昨年訪問した深センもそうでしたが、昨今の中国では、まるで「虎の穴」のように、 数多くのスタートアップが寝る間も惜しんで、新規ビジネス開発に取り組んでいます。

 ということは、中国政府からみると、数万のスタートアップがあっても、その中で、 アリババやテンセントのように、幾つか優れた企業が出てくればそれで良い。スタート アップは多産多死であることを前提に、許容する社会や国としての考え方で 取り組んでいるように思えます。

 なお、AIやVR向けビルを訪問した隣に、まだ実用化されていないにも係わらず、 隣に5G専用の巨大なスタートアップ用ビルがほぼ完成間近となっていました。もう 巨大な投資をしているのかと思うと、思わずビリビリ!と来てしまった次第です。 チャレンジしない日本、しにくい日本との差が広がっていくように思えます。

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