2020年9月14日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2020年9月14日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

もはやEVビジネスは資金力が決め手か

 報道によれば、米国ベンチャー企業のルーシッドモーターズが2021年にもEVセダン「エア」を発売するようだ。それほど有名ではなかったが、近年、モデルSで開発を指揮したピーター・ローリンソン氏をCEOに迎えて、開発を加速してとのこと。

 以前に幾度か、日本で新型EVを開発する場合、ベンチャー企業であれば、どれくらいの技術者と開発費が必要かと問われたことがあった。その時、あくまで、うどんで例えれば、素うどんレベルのEVで良ければ、技術者100人、開発費200億円と答えていた。

 なぜ日本でEVベンチャー企業が育たないのかと良く聞かれるが、日本では出資を募っても、10億円~20億円レベルがせいぜいであろう。しかし、これでは数ヶ月で使い切ってしまう。結果として、クルマは完成しない。日本でも、EVを開発してみたいと相談に来る人がいるが、技術者や開発資金についてそのように説明している。

 時代は変わり、最近のEVはパワートレインだけでなく、自動運転やIoTとの連携も必要となってきた。テスラのモデル3レベルのEVを開発するとなると、素うどんではなく、鍋焼きうどんレベルとなる。そして、EVベンチャーとして成功するためには、技術者500人、開発費1000億円以上を揃える必要があるように思う。

 今回のルーシッドも、どうやって開発費を捻出したのかと思っていたら、サウジアラビア系のファンドから10億ドル超の出資を受けているとのこと。さもありなんである。

 最近のEVはますます高度化しており、開始前に資金や高度な技術者をどうやって集めるかが鍵となる。このため、自動車メーカーを除いて、ベンチャー企業で存続出来るのは、ファンド、エンジェルなど巨額の資金が集まり、かつ高度技術者が募集しやすい米国と、政府系支援が受けられる中国に限られるのではないかと思ってしまう。もはやEV開発はそんな時代になったのであろうか。

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