株式会社 日本電動化研究所
2019年1月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2019年1月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

パナソニックはフリーハンドを失った!

2019年1月20日の日経朝刊を見て、えっ!と驚かされました。トヨタとパナソニックが共同にて2020年を目処にEV用電池会社を設立するとのこと。

私の正直な感想を言えば「パナソニック、やっちまった!」と思ったのです。もしパナソニックの関係者の方がいれば、勝手なこと言って申し訳ありません。

というのは、私自身の考え方として、新エネルギー車の基幹部品を作る部品メーカーで最も重要なことは、独自性を保つことではないかと思っているからです。つまり、ビジネス的に繋がりはあるけれど、どの自動車メーカーにも属さず、フリーハンドで対応することが大切ではないかと。これは電池に限らず、モーター、インバーターでも 同様です。

もちろん、自動車メーカーと合弁会社を作れば、供給先が確保されるため、ビジネスは安定します。これは自動車メーカーも同様でしょう。しかし、他の自動車メーカーからみれば、その合弁企業とは、新車の仕様や将来展開などが漏れる懸念があるため、新規に取引を開始することを躊躇するのではないでしょうか。

今回の場合、パナソニックは、元々、日本ートヨタ、米国ーテスラ、中国ーテスラ(仮)+地場企業というように、三極に分けてコントロールしており、さすがと思っていました。しかし、今回の報道では、テスラ以外にはこの新会社を通して電池を供給するとのこと。

これは、せっかく松下幸之助さんの時代から、中国で良い評判を築き上げ、日本企業と言えども信頼の高いパナソニックに対して、日日連合であれば風圧が高まるのではないでしょうか。

収益面での懸念もあります。一般的に、自動車メーカーと電池メーカーとの合弁新会社は、利益を出さない、むしろ出させない「コストセンター」の位置づけにあります。利益が多く出るならもっと安く供給せよと自動車メーカーは迫るでしょう。

そう考えると、今回の件はトヨタに利があるものの、パナソニックは失うものが多いように感じてしまうのです。詳細は公表されておりませんが、悪手とならないことを祈るばかりです。

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