株式会社 日本電動化研究所
2017年2月13日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2017年2月13日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週27日に発表されたホンダと日立オートモティブシステムズの合弁会社設立について、少し述べたいと思います。

発表内容は、日立オートモティブシステムズが51%、ホンダが49%の出資比率で23日基本合意書を締結し、20177月に合弁会社を設立するというものです。

これに関して私の考えでは「日立オートモティブシステムズがやっちゃった!つまり悪手を打ってしまった!」と、いつもと逆の意味でビリビリ!ときてしまいました。

かなりうがった見方かもしれませんが、私の見立ては以下のとおりです。

ホンダのメリット:

これまで購入部品であったモータ(さらにはインバータ)までも合弁会社にて製造することにより、詳細コスト、製造方法、品質管理手法を把握できる。また、合弁会社であることから、ここで利益をあまり出す必要はなく、利益は限りなくゼロ、もしくはマイナスとなる「コストセンター扱いができる」ということです。また、全てを吸収したなら、将来内製も可能となるでしょう。

ホンダのデメリット:

他サプライヤーが優れたモーター、インバーターを開発しても、すぐに乗り換えることができない。また、ホンダのみの合弁では、スケールメリットはあまりないことが挙げられます。

日立オートモティブシステムズのメリット:

これは、これまで悲願であった自動車会社と対等に立てたという満足です。単なるサプライヤーから、日本有数の自動車メーカーに食い込むことができた。また供給先を心配しなくてすむということが挙げられます。つまり、実利よりネームバリューを取ったのではないでしょうか。

日立オートモティブシステムズのデメリット:

ホンダのメリットの裏返しとなりますが、日立は最新技術や、コスト、製造方法、品質情報まで、そのほとんどをホンダに提供しなければなりません。また、合弁会社の利益はホンダに吸い取られると思ったほうが良いと思います。

さらに、合弁会社を設立したことで、これまでの顧客であったGM,マツダなどから身構えた対応をされるでしょう。つまりサプイライヤーの立場であれば、それなりに話せたことでも、合弁会社も自社傘下にあるとなれば、情報が筒抜けになることを恐れ、新車の出現時期など情報は慎重になると思われます。

また、プレスリリースでは、中国に於いても、製造と販売を行う子会社を設立したいとのことですが、これはかなり厳しいのではないでしょうか。現在、中国では地場産業の育成を図っており、リチウムイオン電池でも中国企業以外は承認されておりません。ましてや、今回のように日系企業同士の合弁であれば、中国自動車メーカーが、モータ・インバータの仕事を依頼することは極めて難しくなるように思えます。

その意味で日立オートモティブシステムズは、中国に於ける悪しきイメージをつけてしまったのではないでしょうか。私見ですが、中国自動車メーカーもしくは部品メーカーとの合弁の選択肢があるように思えます。その場合でも日立は主導権を取らず49%の範囲です。

このように考えると、今回の合弁会社設立について、ホンダのメリットが7割、日立は3割と私は見立てています。はたして、将来どのような結果が出るでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

 

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