株式会社 日本電動化研究所
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2017年10月13日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週「CEATEC JAPAN 2017」が閉幕しました。昔で言えばエレクトロニクスショー、最近ではCEATECと名前が変わり、今年のテーマはCPS(Cyber Physical System)とIoT(Internet of Things)とのこと。

それにしても思うのですが、開催期間は僅か4日間。海浜幕張の大きな会場を借りて大がかりな展示を行い、やっと出来たと思ったら、すぐに壊してしまう。なんとも、もったいないイベントです。

今年のテーマについても、これまで各機器に組み込まれたソフトウェアが、IoTを通して接続されることで「Connected」の世界が実現するというメッセージを伝えていました。しかし、各社の展示は各機器を並べたばかりであり、全体としてどう繋がっていくのか、またConntecedの世界がどのように実現するかはよく判りませんでした。

また、繋がるものの筆頭である自動車は、ホンダの燃料電池ステーションBOXが展示してあるのみで、他の展示はありません。CEATECは、電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3社が主催しており、自動車関係は含まれておりません。これも日本の縦割りが強いからでしょうか。

一方、10月末から始まる東京モーターショーは自動車主体ですが、近年は米国、ドイツを除く欧州なども参加を見送り、すっかりローカルモーターショーとなってしまいました。

CEATECもこのような内容であれば、毎年開催する必要はなく、東京モーターショーと一緒になって、ロボット、モビリティとIoTがどのように繋がり、どんな未来を切り開いていくのかを世界に発信する”場”とすることも良いのではと思えてなりません。

今回は逆の意味でビリビリ!ときた次第です。

2017年9月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週、所用にてベトナムのハノイに行ってきました。これまでカンボジア、タイ、ミャンマーなどは行ったことがあったのですが、なぜかベトナムとご縁がなかったのです。

今回はハノイ周辺のみでしたが、初めての印象はとにかく若い国だなということでした。聞いてみると、平均年齢が約28歳とか。ベトナム戦争の影響もあるのでしょう。とにかく年配の人を見かけることがとても少なく感じました。

また、それほど娯楽が発達していないせいでしょうか。昨年9月より、ハノイ中心部にあるホアンキエム湖(周囲約2km)の外周が金曜夜から日曜夜まで歩行者天国となり、大勢の若者がクルマやバイクで繰り出してきます。

路には、大道芸、ストリートミュージシャン、大縄跳び、綱引きなど、とにかく多種多芸で、若者がニコニコ顔で大騒ぎしています。聞くところによれば、ベトナム人は家の中にいるより、外で遊ぶことが好きなので、このような歩行者天国はちょうど良いアイデアなのではないかと。

また、あまりにもバイクが多いので、空気は悪いし、どうなっているのかと聞いたところ、ハノイ市が、2030年までに段階的にバイクをハノイ市内に入ることを制限し、2030年には全面禁止とすることを本年7月に決議採択したとのこと。いよいよアジア・アセアンにも環境問題が飛び火しており、思わずビリビリ!ときてしまった次第です。

おそらく10年後に再び訪ねると、かなり風景が変わっているのかもしれません。
また、9月23日の日本のニュースでは、BYD董事長である王伝福氏が、中国が2030年にガソリン車を禁止するのではとの見通しを示しました。

ひょっとしたら、後から振り返ると、2017年が自動車が生まれて130年目にして、ガソリン車からEVに大転換を図った”ターニングポイント年”となるのかもしれません。これを危機ではなく、チャンスととらえ、立ち向かいたいものです。

2017年8月31日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週から今週にかけて、日中経済協会主催の「2017年日中経済協力会議」に参加するため、中国の遼寧省、吉林省を訪れており、昨夜帰国しました。その間、北朝鮮によるミサイル発射などもあったのですが、中国での扱いは極めて小さく、インドとの国境にて小さな武力紛争があったため、その報道が多く、国による違いを感じたものです。

さて、本題ですが、吉林省の省都、長春を訪れた時のことです。街の中をみると異常に白いクルマが多いことに気がつきました。また、紅旗で有名な第一汽車を訪れた時は、なんと95%が白いクルマを生産していたのです。担当者に聞くと、白いクルマが売れるため、集中して生産しているとのこと。

確か日本でも、高度成長期は「白いクラウン」が流行り、またバブル期には「スーパーホワイト」と銘打ったマーク2に、松本幸四郎が乗っていたことが思い出されます。

吉林省の長春では、昨年2月に中国の国家プロジェクトとして「長春新区」が設定され、超巨大な開発が進んでいるとのこと。白いクルマが流行るということは、明日は今日より良い日が続くというように人々が思っている。まさに昔の高度成長期と同じだと思い、思わずビリビリ!ときてしまいました。

今回訪問してみて、北京、上海とは異なる地域にて、超巨大なプロジェクトが進みつつある、そんな中国の懐の深さを感じたものです。

2017年7月10日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週は、自動車業界の動向を考える上で、大きなニュースが幾つかありました。
ボルボによる全車種電動化(2019年~)や、フランス政府による2040年までのガソリン車、ディーゼル車販売禁止のニュースです。

しかし、私が最もビリビリ!ときたのは、中国のネット検索最大手である百度による、自動運転に関するコンソーシアム「アポロ計画」の発表でした。今回はこれについて少し述べてみたいと思います。

アポロ計画は、百度を中心として、フォード、ダイムラー、中国自動車メーカー、デルファイ、コンチネンタル、ボッシュなどの部品メーカー、エヌビディア、インテル、マイクロソフトなどのIT企業等、50社が集結しています。

残念ながら、ここには日系自動車メーカーや部品メーカーの姿はなく、後塵を拝した形となっています。ショックを受けた方も多かったのではないでしょうか。米独中連合であり、これだけ強力な企業が集まると、ここでの自動運転に関する議論は、事実上のデファクトスタンダードとなるかもしれません。

しかし、まだ結論づけるのは早いと思っています。
自動運転は、自動車メーカーが主導というより、IT企業が中心となって主導するのではと考えてきましたが、それが現実になりつつあります。

そうであれば、もう一方のジャイアントであるGoogleやAppleはどうするのでしょうか。また技術的に進んでいるVW、BMW、GM、トヨタ、ホンダ、日産、さらにはそれを支える日系部品メーカーはどう出るのでしょうか。

今回は百度のリードによりコンソーシアムが発足しましたが、中国企業はまだ技術的に途上のこともあり、今後は別のジャイアントであるIT企業を中心として、本当の意味で世界最先端な第二極のコンソーシアムが生まれてくる気がしてなりません。その時、日系企業にも参入の機会が出てくるのではないでしょうか。今後も注目して
いきたいと思います。

2017年6月20日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先般、30ヶ国、1万人以上の技術者ネットワークを通じて、技術や発明を推進している Xinova(ジノバ)社の日本総代表である加藤幹之氏の話を聞く機会がありました。

私もそれまでXinovaについては全く知らなかったのですが、Xinovaとは、Xin(中国語、韓国語、日本語で「新」の意味)と、Nova(ラテン語で「新」の意味)を掛け合わせて出来た会社名だそうです。続けて言えば新新(シンシン)、まるで上野動物園のパンダの名前と同じとのこと。

さて、加藤氏が言っていたことで、2つ気になったことがあります。
なぜ日本ではオープンイノベーションが進まないか、その理由として
・何でも自前主義でやらないと気が済まない、研究開発部門の排他性がある。
・自社の研究開発と、外部から調達する場合の、経済的、経営的、戦略的に切り分けることが出来る人が少ない。
などです。確かに、上記は日系自動車メーカーにて顕著であるかもしれません。その結果、何でも抱え込もうとして、工数が足りない、設備が足りない、新技術(IoT、AIなど)に精通した人がいないなどとぼやいてしまう。

逆に躍進が著しい中国自動車メーカーでは、逆に全てを自社で抱えるところが少なく、デザイン、マーケティング、CAE、実験、IoTなどのコネクテッド対応などすぐにアウトソーシングしている。

要求される技術が時々刻々と変化するため、その道の専門家でないと対応できないと判断しているからであろうか。

近年、日本でもオープンイノベーションの掛け声だけは大きいが、本当にどのように切り分けるのか、その目利きや全体をまとめるコーディネーターなどの人財が、今後もますます必要となってくるように感じた。

<ご参考:Xinova社>
https://www.xinova.com/

2017年5月22日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先般、「ネクスト・ソサエティフォーラム2017」に参加した時のことです。
フォーラムにてNPO法人 e-education代表の税所篤快(ざいしょ あつよし)さんと、早稲田大学教授の友成真一さんの対談がありました。

私はそれまで税所については全く知りませんでしたが、かなり有名人のようです。
税所さんは、中高生まではビリに近い成績だったのですが、一念発起して通信予備校のDVD授業を受けて、いきなり早稲田に合格したとのこと。

これに意を強くした税所さんは、お金や環境が整っていない地域で、このようなDVD授業をすれば、貧しい人でも大学に行けるのではと思い行動に移したようです。最初は、バングラデシュの貧しい村で、現地の著名な先生の講義をDVDに収め、高校生にDVD授業を行ううちに、国内最高峰と言われるダッカ大学に入学する学生が出始めたとのこと。

現在は、NPOを作り、ヨルダン、ルワンダ、パレスチナ・ガザ、インドネシア、ミャンマー、最近はアフリカの未承認国ソマリランドで、大学を設立するなど、まさに破天荒とも思える活動を展開しています。

それにしても、まだ28才の若者なのですが、とにかく命知らずで、無茶を承知で相手の懐に飛び込んでいく、その勇気に驚かされたものです。国として認められていない未承認のソマリランドに飛び込んでいくなど、見方によっては、頭のネジが1~2本どころか、10本ぐらい抜けていると思われるかもしれません。

しかし、地位やお金などのしがらみにとらわれることなく、自分のやりたいことを先鋭化して突き進んでいく、その姿勢にビリビリ!ときたものです。まさに奇人変人!でも、このような人が世界の中で必要とされる人なのかもしれません。

それに比べ、自分はどうも”守り”に入っているなと思い、新たな元気をもらった次第です。

なお、税所さんは世界銀行イノベーションコンペティション最優秀賞(2014年)も受賞しているとのこと。命を大事に、これからも益々のご活躍を祈りたいものです。

<ご参考:NPO e-education>
http://eedu.jp/about/outline/

2017年4月17日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

最近思いを強くしていることがあります。それは「クルマの電車化が加速する!」ということです。かなり突拍子な意見かもしれませんが、これついて少し述べてみたいと思います。

最近、ユーザーや、クルマの開発者などと話をしていて、クルマそのものへの魅力というより、クルマをどう使うかに関心を寄せている人が多いように見受けます。

カーシェアリングなどはその典型で、所有せず、人やモノを運ぶツールとして活用する。つまり、スタイリングや運動性能にはこだわらず、人がどれだけ乗れるか、楽器や荷物が運べるかなど、キャパにこだわっている人が多いように思えます。

また、自動運転車が話題となっていますが、では自動運転時に何をするかと問われれば、巷で言われているようにDVDにより映画を見たり、携帯を見たりすることもあると思いますが、忙しいビジネスパーソンを考えると、車内設備が充実していれば、客先に行く途中でTV電話会議を行い、客先に説明する内容の変更有無を確認する。終了後は、その結果をTV電話会議にて報告するなどが考えられます。

また、為替、株式、ニュースに関心がある人は、車内で会社の方と戦略会議を開くなど、まるで動くオフィスのような使い方をする人が多いのではないでしょうか。

将来、パーク&ライドで、JRやメトロから降りた方は、駅横にあるシェアリングカーにスイカで乗車し、そのまま会議をしながら相手先を目指す。そのような姿も想像できます。

これは言い換えると、クルマに求められるものが、従来の走る、曲る、止まるだけに留まらず、まるで電車を小型化し、2人乗り、4人乗り、6~8人乗りというようにキャパだけが異なるクルマがあれば、それを活用する時代が来るのではと思ってしまいます。

クルマ好きの方にとっては寂しいかもしれませんが、マジョリティは、パブリックとしてクルマを活用すること。もしJRやメトロなどの企業が50万台、100万台と発注すれば、要求仕様は、スタイリング重視より、電車のごとく、耐久性やメンテナンスの容易さに重点を置いたクルマとなることでしょう。もちろん、車内には電車のごとく、デジタルサイネージによる広告も装備されます。

そして、これがいつ到来するかと問われれば、トランスポ―テーション企業がそれも自社のドメインと決心した時であり、私見ですが10年以内に訪れるのではないでしょうか。

いずれにしても、自動車会社が独自性を発揮していく領域は、次第に縮小していくように思えてなりません。

2017年3月6日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先般、ロイター発の小さなニュースに「ビリビリ!」ときたので、それについて述べたいと思います。

それは、「メルケル首相が、中国の李克強首相と電話会談で、中国国内の将来的なEV普及計画について話し合った」とのニュースでした。「秘密会談のため内容は公表できないが、中国が海外の自動車メーカー(つまり独自動車メーカー)を差別しない限り、EV普及を促進するという中国の計画をドイツは支持する」とのこと。

この背景として、中国では新エネ車を製造する企業を、これまでの200社以上から20社程度に絞る政策を実施しています。粗悪品を排除し、ある程度、品質までも確保できるメーカーへの絞り込みと思われます。

新エネ車製造のライセンスを得た企業は、現在11社に達していますが、全て中国企業であり、この状況から言えば残り9社程度しかありません。そのため、中国に大きな基盤を置くドイツ自動車メーカーはどうするのかと注目していた訳です。

そして、私の見立てでは、独自動車メーカーも新エネ車のライセンス申請で困っており、どこかで独のメルケル首相が訪中し、この案件に関して「手打ち」をするのではと思っていました。

この問題は、中国自動車政策がpolitics、つまり政治によって左右されている以上、海外資本による解決もpoliticsによってでないと決着しないと思っていたらからです。今回、独政府は電話会談にてライセンス申請の内諾を得たのではないでしょか。

ひるがえって、日系自動車メーカーはどうでしょう。ガソリン車は中国にて数多く生産していますが、新エネ車では1社たりともライセンス承認は下りておりません。日系自動車メーカーもどうしていいのか判らず、トップ外交による政府支援を得たいところですが、政府は国有地払い下げ問題で、それどころではないように思えます。

世界最大の市場に対して、きちんと手を打っている国と、まだその手がかりもつかめていない国。将来に大きな隔たりができてしまうのではないかと危惧しています。

2017年2月13日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週27日に発表されたホンダと日立オートモティブシステムズの合弁会社設立について、少し述べたいと思います。

発表内容は、日立オートモティブシステムズが51%、ホンダが49%の出資比率で23日基本合意書を締結し、20177月に合弁会社を設立するというものです。

これに関して私の考えでは「日立オートモティブシステムズがやっちゃった!つまり悪手を打ってしまった!」と、いつもと逆の意味でビリビリ!ときてしまいました。

かなりうがった見方かもしれませんが、私の見立ては以下のとおりです。

ホンダのメリット:

これまで購入部品であったモータ(さらにはインバータ)までも合弁会社にて製造することにより、詳細コスト、製造方法、品質管理手法を把握できる。また、合弁会社であることから、ここで利益をあまり出す必要はなく、利益は限りなくゼロ、もしくはマイナスとなる「コストセンター扱いができる」ということです。また、全てを吸収したなら、将来内製も可能となるでしょう。

ホンダのデメリット:

他サプライヤーが優れたモーター、インバーターを開発しても、すぐに乗り換えることができない。また、ホンダのみの合弁では、スケールメリットはあまりないことが挙げられます。

日立オートモティブシステムズのメリット:

これは、これまで悲願であった自動車会社と対等に立てたという満足です。単なるサプライヤーから、日本有数の自動車メーカーに食い込むことができた。また供給先を心配しなくてすむということが挙げられます。つまり、実利よりネームバリューを取ったのではないでしょうか。

日立オートモティブシステムズのデメリット:

ホンダのメリットの裏返しとなりますが、日立は最新技術や、コスト、製造方法、品質情報まで、そのほとんどをホンダに提供しなければなりません。また、合弁会社の利益はホンダに吸い取られると思ったほうが良いと思います。

さらに、合弁会社を設立したことで、これまでの顧客であったGM,マツダなどから身構えた対応をされるでしょう。つまりサプイライヤーの立場であれば、それなりに話せたことでも、合弁会社も自社傘下にあるとなれば、情報が筒抜けになることを恐れ、新車の出現時期など情報は慎重になると思われます。

また、プレスリリースでは、中国に於いても、製造と販売を行う子会社を設立したいとのことですが、これはかなり厳しいのではないでしょうか。現在、中国では地場産業の育成を図っており、リチウムイオン電池でも中国企業以外は承認されておりません。ましてや、今回のように日系企業同士の合弁であれば、中国自動車メーカーが、モータ・インバータの仕事を依頼することは極めて難しくなるように思えます。

その意味で日立オートモティブシステムズは、中国に於ける悪しきイメージをつけてしまったのではないでしょうか。私見ですが、中国自動車メーカーもしくは部品メーカーとの合弁の選択肢があるように思えます。その場合でも日立は主導権を取らず49%の範囲です。

このように考えると、今回の合弁会社設立について、ホンダのメリットが7割、日立は3割と私は見立てています。はたして、将来どのような結果が出るでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

 

2017年1月16日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

最近驚いたことは、1月12日に中国自動車工業協会が発表した2016年の新車販売台数です。2015年は2460万台であり、2016年は6%増の2600万台と予想されておりましたが、締めてみると、なんと13.7%増の2802万台とか。

これは、世界の新車販売台数が約1億台なので、中国1国にてその約1/3を占めることとなります。中国恐るべしですね。また、同工業協会は、2017年以降は5%程度に伸びが低下すると予測しています。

しかし、仮に年率5%で販売台数が伸展するとなると、計算上は2028年に5032万台となり、ついに5000万台を突破してしまいます。これを荒唐無稽と言えるでしょうか。1000人当たりの自動車保有台数は、米国800台、日本やドイツ600台レベルに対して、中国ではまだ100台余にしか過ぎません。潜在能力はまだまだあると考えるべきでしょう。

しかし、2028年時点で仮に5000万台を超えたとして、はたしてその時はガソリン車で対応できるのでしょうか。どう考えてみても、ガソリン車ではなく、新エネ車と呼ばれるEVやPHEVが、1/3~1/4を占めてその役目を果たすのではないかと思います。また、そうしなければ北京、上海などの大都市は大気汚染により、人が住めない街になってしまいます。

中国に於ける2016年の新エネ車販売台数は40万台余りでした。私は、これが今後12年間で、1000万台を超えるレベルまで急伸していくとみています。これはビジネスリスクでしょうか、はたまたビジネスチャンスなのでしょうか。

2016年12月19日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

先週、過去のエアバック搭載に匹敵するのではと思われるほど、大きな規制が米運輸省 高速道路交通安全局(NHTSA)にて公表されました。車車間通信、英語ではV2V(Vehicel to Vehicle)と呼ばれるものです。

その内容は、自車のロケーションとスピードを政府保有のクラウドにあげ、それを相互にチェックすることで、モニター上で相互の位置関係を確認できるとともに、前方で見えにくい場所からの飛び出しに対しても、注意が容易となるなど、大幅な交通事故削減が期待されるものです。

法規制は、今後90日間のパブコメを経て、2019年からの搭載を予定しており、フェーズ・インにてその4年後には全車に装着を促す内容となっています。

本件は、数年前からNHTSAが仕掛けて話題に上っていたのですが、全米となると、年間の新車約1700万台に対して、瞬時に相互の情報やり取りを行う方法や、将来も含めたサーバーの大きさ、さらにはセキュリティの信頼性など、本当に実現できるのかなと懐疑的な声も多数ありました。

多くの疑念をも克服し、今回、NHTSAが規制公表に漕ぎつけたことに、大いに敬意を表したいと思います。米国にていよいよ発進することなるのですが、これははたして日本でもできるのでしょうか。

正直、あまりにも膨大なシステム構築が必要なことから、米国の本気度が判るとともに、他国では極めて難しいとも思ってしまいます。

しかし、クルマ相互の位置関係を把握することは、自動運転車を実現しようとする場合の基本であり、これなしに自車のカメラやセンサーのみで周囲を把握しようとしても限界があります。

つまり、米国の新規制は交通事故大幅削減であるとともに、自動運転車を将来実現するための基盤を作っているとも言えるのではないでしょうか。そして、彼らの考え方は、V2Vが先で、自動運転車は後であると。

今回、米国NHTSAの実行力にビリビリ!とくると共に、このような戦略的な思想が見えない日本は、大丈夫なのかと心配になる年末です。

2016年11月16日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

覚えている方も多いかもしれないが、約1週間前の11月7日(月)、日経朝刊一面に「トヨタ、EV量産計画へ」との記事が掲載された。

一部の方からガセネタではとの声もあったが、私としては月曜日の日経朝刊一面ははめ込みが多いことから、これはガセネタではなく、仕組まれた記事と考えていた。

以前に、大きな記事は1週間程度寝かせておいてから考えるほうが良い、とアドバイスいただいたこともあり、今回公表した理由を考えてみたい。

まず、デメリットから考えると、これは燃料電池車(FCV)陣営にとどめを刺すおそれがある。これまで、次世代自動車はFCVであるとアナウンスしてきた先導役の自動車メーカーがEVの量産化に向けて開発を進めるとアナウンスすることで、FCVの充填インフラを支援していた業界が、今後力を入れなくなる恐れがでてくる。

理由として、EVの充電インフラは設置が容易であるが、FCVは設置費用が高額であること、各種申請などが煩雑で、設置までに長期間要することなど、不利な点が多い。これまで、2020年以降には上向くのではと何とか頑張ってきた業界であるが、この公表はかなりの冷や水となるのではないだろうか。

逆にそれらを考慮しても、今回公表に踏み切った理由はなんであろうか。
一言でいうと、「もはや、切羽詰まってきた!」ということであろう。
主に3つの理由があると思われる。

1つは、マツダ、富士重工への配慮。
両社とも、米国ZEV規制、特に2018MYからの新規制に対して、どう対応するのかが喫緊の課題となっている。類似の規制である中国NEV規制もある。これらに対して、両社は対応方針を示す必要性に迫られていた。しかし、両社が例えEVを量産すると言っても、単独ではなかなか現実味がない。つまり、基本技術をどうするか、誰がキープレイヤーとなって開発するかを明らかにする必要があった。

2つ目は、トヨタ系サプライヤーへの配慮。
トヨタは2016年11月8日、2017年3月期の連結決算を、売上高予想△8.5%減の26兆円、純利益予想は、1000億円上積みしたものの、△33%減の1兆5500億円になると公表した。頼みの米国販売が低迷しており、またHEVの成長が止まったことや、FCV販売も上手くいっていないことから、傘下のサプライヤーに対して、不安を打ち消し、今後の進む方向性を示す必要が出てきたのではないだろうか。

3つ目は、自動運転車への対応。
レスポンス性などを考えると、自動運転車はEVでなければ実現できないことは自明である。他社が自動運転とEVを組み合わせた商品展開を進める中、自動運転技術をいくら開発しても、乗せるクルマがなければ実用化には結びつかない。これら開発陣の葛藤を受けて、アナウンスに踏み切ったと考えるのが妥当であろう。

しかし、EVを量産するにはこれまでの財産(HEV用電池設備、モーター設備等)が活用できず、新たな巨額の設備投資に踏み切らなくてはならない。これは量産設備だけでなく、試験設備、そして何よりも技術陣の体制も同様である。

今後、社内外でも葛藤はあると思うが、巨艦が方向転換することにエールを送りたい。

2016年10月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

過日、ご縁があり「太陽光発電協会」のシンポジウムにてお話をさせていただきました。

EV/PHEVなどの電動車両と太陽光発電は、一見、関係がなさそうですが、今冬発売のトヨタプリウスPHVが、駆動用バッテリーに充電できる車載用ソーラーパネルシステムを、搭載するなど、ここにきて関連性が出つつあります。

当日は、このトピックだけに留まらず、自動運転車との関わりについても少しコメントをしました。というのは、自動運転車は、レーザースキャナ、カメラ、ミリ波レーダー、赤外線レーダーなど多くの電子機器を搭載し、かつ常時作動させなければならないので、電源がますます必要となってきます。

実証試験であれば、多くの別バッテリーと搭載すれば良いのですが、量産となると、駆動用バッテリーからDC/DCコンバータを介して12Vバッテリーに電気を補充する方法だけに頼ることは厳しくなります。つまり、新たに電力を生み出す機能が必要となってくるのではと問題提起しました。その意味で、将来は車載ソーラーパネルの必要性が高まってくるように思っています。

なお、当日参加された方々は、ソーラーパネルは固定という意識が強く、可動体に設置することも将来可能性があるのではとの意見に、とても関心を呼んでいました。

さらに、車載ソーラーパネルは、単なる充電機能のみならず、V2Hとしても活用できる可能性があることから、今後もますます広がっていくのではと思っております。

今回は、日頃のクルマ業界だけではなく、違った業界に顔を出すことで、意見交換することも出来、とても刺激になった次第です。

2016年9月30日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

9月27日(火)に「自動車100年塾」x「リアル開発会議」x「日経BP社」の3社コラボによる「自動車産業改造計画」の公開コンサルティングを行いました。

これは8月29日の「事前説明会」に参加された企業が、その後、社内にて検討し、もう少し踏み込んだ具体的なビジネスとするために開催したものです。

当日は、「開発の鉄人」と呼ばれ、これまで3000件の開発テーマに携わってこられたシステム・インテグレーション代表取締役社長の多喜義彦氏が、各企業と1対1にて現在の事業や課題、そして今後の提案ついて、参加者の前で公開コンサルを行いました。

当日は、秘匿性が高いことから、開始前に参加者全員に守秘義務にサインしていただき、その後、開始となりました。

当日の参加者は自動車部品メーカーの方々が多かったのですが、1対1の公開コンサルを進めていく中で、開発の鉄人からのアドバイスは本当に驚くものでした。詳細は秘匿事項のため記載できませんが、電動化コンサルタントの私が聞いていても、えっ、そういうアイデアもあるんだ、そんなことで困っている人や分野もあるんだと、思わず、何度もビリビリときてしまった次第です。

よくビジネスは困っている人を助けることにヒントがあると言います。これまで、どちらかと言えば、自動車メーカーからの受注にてビジネスを展開してきた自動車部品メーカーの方には、自分達が主体性を持ってビジネスを展開できることの可能性に自信を深めたのではないでしょうか。

11月からは、開発計画ステージとして、事業性などの検討とチームビルディング(新たな参画企業の募集:例えばIT企業)などを約半年間行い、その後、本格的に開発着手予定となっています。

テーマは公共性も高く、これまで自動車部品メーカーでは考えたこともなかった分野が多く、今後の展開がとても楽しみな状況です。

さて、終了後には、「自動車100年塾」「リアル開発会議」「日経BP社」3社にてフォロー会を行い、今回とても好評だったことから、11月を目途に「自動車産業改造計画 第二弾」を開催することで一致いたしました。

今回、関心がありながらも参加できなかった企業も、もし可能であれば、参加していただければと思います。詳細は追って連絡させていただきます。

2016年9月6日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

ときどきニュースを見ていると、思いもよらぬことでビックリすることがあるものですね。先日、米国のベンチャー企業ヌートノミーが、シンガポールで世界で初めて自動運転のタクシー公開試験を開始したと聞いたときでした。

そのビデオを見てみると、なんと三菱自動車のi-MiEVにて公開試験をしているではありませんか。そして、シンガポールの方から、とても好意的なコメントが寄せられていました。

これを見た瞬間、この公開試験ビデオは、i-MiEVのプロモーションビデオと良く似ており、また、場所がi-MiEVの発売前に複数回、実証試験車を持ち込んで試乗会やプレゼンを行ったシンガポールであるだけに、懐かしいと同時に、思わずビリビリ!ときてしまいました。

サンケイビズのコラムでも書いていますが、シンガポールはとにかく新しいことに対して関心が高く、i-MiEVの時も、実証試験車であったにも係らず、ぜひ一番にシンガポールで導入して欲しいと頼まれたものです。

その精神は、ベンチャー企業であるヌートノミーにも伝播しているのかもしれません。当時、i-MiEVでは、実証試験とプレゼンを行うため、シンガポール以外に、米国、香港、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、イギリス、ノルウェー、スウェーデン等々、本当に多くの国々を回りました。その中でも、最も熱く迎えてくれたのが、シンガポール、ニュージーランド、ノルウェーでした。

おそらく、地域の人々が熱い思いを持っていると、相乗効果で何か新しいモノがが生まれてくるのかもしれません。日本は少し体温が低めでしょうか。我々がもう少し高めにしないといけないのではと思っています。

<ヌートノミーの記事>
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1608/26/news048.html

2016年8月8日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 Dream come true!

昨年4月に任意団体として「自動車100年塾」を立ち上げた際、将来はきちんとした団体にしたいと思っておりました。この度、本年6月6日に「一般社団法人100年塾」として登記を行い、先日、その社団法人化記念ワークショップを開催することができました。

参加者人数もこれまでの最高を記録し、また基調講演では、株式会社アクアビット代表取締役の田中栄様から、「未来予測2016-2030 ~過去の延長線上に未来はない~」と題して、将来をどう考えるべきかを示唆していただき、とても感慨深いものとなりました。

本当に皆さまのおかげで、ここまでこれたことに感謝するとともに、ビリビリ!ときた次第です。

また、日経BP社編集長の狩集様も駆け付けていただき、「自動車100年塾xリアル開発会議x日経BP社」のコラボについても説明の場を持つことができました。

一般社団法人自動車100年塾は、まだまだスタートしたばかりですが、皆さまのご期待に沿えるよう、今後の活動を取り進めていく所存です。

なお、自動車100年塾では法人会員、個人会員を募集しております。
ご希望の方は下記リンク先よりダウンロードしていただき、申込書をFAXにて送付していただけると幸いです。本年12月までにお申込みの場合、入会金は免除となっておりますので、よろしくお願い致します。

<法人会員、個人会員申込案内HP>
http://www.auto100y.org/

2016年7月12日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

「自動車100年塾」x「リアル開発会議」x「日経BP社」がコラボ!

前回は、一般社団法人 自動車100年塾立ち上げのお話をしました。
企業の枠を超えて自動車産業の将来を考える場として設立しましたが、それだけでは勉強会で終わってしまうので、いろいろ出口戦略を考えました。

その一つが分科会活動です。
いろいろと興味ありそうな、また将来必要となりそうなテーマを募り、関係者にて突っ込んだ、またビジネスの成立性までを検討する場として設けております。

今回、その第一弾として、各種プロジェクトで実績のある「リアル開発会議」と組み、かつ「日経BP社」にもご協力いただきながら、プロジェクトを本年10月より立ち上げることと致しました。

名前は、これまた勇ましいのですが、「自動車産業改造計画」です。
本年10月からの本格的開催に先立ち、その説明会を8月29日に開催することとなりました。

勉強会だけでなく、実際の将来ビジネスに関心のある方は、ご参加いただけると幸いです。当日は複数のビジネスプランをご提案し、皆さま方のご意見を頂戴しながら、10月からの開催に備える運びとなっています。

なお、この分科会でかなり煮詰まった内容は、分科会よりスピンアウトして、当事者同士の自己責任による新ビジネスとして実施を考えております。

以下リンク先に詳細が記載されております。

・8月29日開催:自動車100年塾とリアル開発会議のコラボのご案内

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/062400053/062400001/?rt=nocnt

・8月29日開催:コラボに関する申込み案内

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/seminar/16/062000182/index.html

・8月1日開催:第5回自動車100年塾 社団法人化記念ワークショップ

http://www.carnorama.jp/auto100.html

2016年6月27日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

今日のメルマガは、私的にビリビリ!ときた話です。

このたび、人生初となりますが、一般社団法人を立ち上げることとなりました。

これは、昨年4月より任意団体として活動開始した「自動車100年塾」を、1年間の活動結果を受けて、より社会的責任と活動の幅を広げるため、6月に一般社団法人化したものです。

「自動車100年塾」は、日本の自動車産業のあり方に危機感を共有する有志が、企業の枠を超えて自動車産業の将来を考える場として設立したものであり、4回のワークショップを経て、その意をますます強くしてきました。

今回の一般社団法人化にあたっては、発起人3人にて、この塾のあり方を再考し、基本的な取組姿勢として、自動車産業の孵化基盤=インキュベーション・プラットホームとなることを目指しています。

また実際の活動は、「学びの場」「交流の場」であるとともに、「事業創造の場」と定義し、事業創造については出来る限り具体的な事業に結び付けるために、分科会活動として実行していく所存です。

                       一般社団法人 自動車100年塾   
                         代表理事  和田 憲一郎
                                  理事    鶴原 吉郎  
                           理事  宮尾 健

なお、今回の一般社団法人化を記念して、以下のとおり「記念ワークショップ」を開催することといたしました。ご都合のつく方はご参加賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

・日時  2016年8月1日(月) 18:30~20:30
・場所  文京シビックセンター 26F スカイホール
・参加費 5000円

今回のワークショップは、自動車100年塾の今後の活動内容ご報告とともに、基調講演では、未来予測で有名な株式会社アクアビット代表取締役の田中栄様に今後どのような未来が待っているのかなど、貴重なお話を伺う予定です。その後は、従来どおり車座になって、グループディスカッションを行う段取りとなっております。

参加資格は、特に設けておりませんが、自動車産業に携わっている方、将来の自動車産業に関心のある方であればどなたでもけっこうです。

これまでご参加されている方、また自動車産業に興味を持たれた方は、下記よりお申込みいただけると幸いです。

http://www.auto100y.org/

2016年5月16日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

日産自動車と三菱自動車による資本業務提携について

ご承知のとおり、このニュースは日が替わった5月12日0:15頃、日経より特報として流されました。このニュースを聞いて、一瞬驚いたものの、逆に私的にはビリビリ!ときませんでした。

正直「何だかなぁ・・・」と思ったものです。確かに、三菱自動車の取引先は6000社以上あると言われており、この提携にて各企業から「倒産」の文字が遠のいたことから良かったのかもしれません。

ただ、引っかかってしまうのは、燃費不正の原因がはっきりしていない中で、あえてこのような資本提携を出すことに、どのようなシナリオがあったのだろうと考えてしまうのです。

思い返せば、ディーゼルエンジン車の排気ガス不正問題で窮地に立たされたVWがまだ原因調査中にも係らず、2015年10月13日に突然、今後の環境対応車の軸足をディーゼル車から、一気にEVに移すと公表しました。

その時の私の見立ては2つでした。一つはディーゼルエンジン車から目をそらさせること。ディーゼルエンジン車をあえて昔のものと見なし、今後の新しい方向性としてEVに移行すると公表することで、不具合への注目度を下げようとしたのではと考えました。

もう一つが、欧米特有の「ゲームのルールを変える」ことです。自社に都合が悪くなったり、窮地に追い込まれたりした時は、ゲームのルールを変え、別の土俵(EV/PHEV)で勝負しようとPRしたのではないかということです。

今回は、上記2つはそのまま当てはまらないかもしれません。しかし、VWの場合と違って、燃費不正と提携の話は深い関係でもあるようにも見えるのです。

シナリオが資本提携のところまでなのか、その先があるのか気になるところです。
まだ多くが調査中とのことなので、その結果を待ちたいと思います。

2016年4月25日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

三菱自動車の燃費不正問題について

メディアにて既報のとおり、4月20日に三菱自動車から燃費不正の問題が公表されました。ちょうど筆者は海外出張に出ていた週であり、最初に聞いた時は軽自動車4車種に燃費不正が判明したと報道されました。

これだけでもビリビリ!ときたのですが、その後、4月22日になるとそれ以外の車種、特に私の関わっていたi-MiEVまでもがその対象であると報道されました。

これはまさに驚天動地、思わず「ホントなのか!」と今の今まで知らなかったことに本当にショック!を受けたものです。

通常、車両の開発期間は実験部門と連絡を密にしています。i-MiEVでの約5年の開発期間中も、数えきれないぐらい実験部門に出向き、走行試験に立ち会ったり、時には高速周回路や波状路を自ら運転したりして、一緒に改良を続けてきました。

また、実車の衝突試験にも幾度も立ち会い、完成度合、安全性を確認してきました。このため、実車試験には恣意的な要素は何ら入る余地はないと思っていました。

しかし、振り返ってみても、私の記憶では一度もこの走行抵抗試験に立ち会ったことがないのです。試験項目は何百とあるため、専門的であったためでしょうか。

それにしても、今回の事件は考えれば考えるほど、摩訶不思議です。

なぜそのような不正をやる必要があったのでしょうか。燃費の焦りなどと報道されていますが、客観的に見ても、軽自動車ではトップにかなり差をつけられており、プラットホームの違いもあって、そう簡単には追いつけそうにもありません。

またi-MiEVでは、先行車がない中で、燃費(電費)うんぬんよりも、信頼性、安全性の高いクルマを作ることが最優先されてきました。

このため、燃費向上のために行ったとは到底思えません。

さらに、たとえ部長がこのような指示をしたとしても、コンプライアンスに問題のある指示であれば、課長、主任、担当がそう簡単に納得したとも思えません。

どうしても何か別の動機があるように思えてしまうのです。

一つ引っかかっているのが、走行抵抗を計測する際に、道路運送車両法で規定されている「惰行法」でなく、なぜ米国で規定されている「高速惰行法」を採用したかです。

惰行法では、20km/h、30km/h、40km/h、50km/h、60km/h、70km/h、80km/h、90km/hからギアをニュートラルで指定速度、例えば90km/hを+5km/h上回る速度で走行させます。その後、試験の測定は95km/h(つまり+5km/h)から85km/h(つまり-5km/h)まで減速する時間を測ります。

また、試験は往路3回及び復路3回行い、その平均をとると規定されています。

ここで一つ疑問が生じます。

低速での試験は良いのですが、高速、例えば90km/hの条件にて試験を行おうとすれば、95km/hまで加速する平坦路が必要であること。さらにそこから惰行減速させることから、相当長い平坦の試験路が必要ではないかと思えることです。

岡崎のテストコースは1962年に出来たこともあり、かなり小さく、直線の平坦路は1km程度しかありません。はたして、この惰行法には適した試験場所だったのでしょうか。

逆に高速惰行法は急ブレーキを踏み、1秒毎の減速変化を測ります。つまり、試験場所はそれほど長い平坦路が必要ありません。

三菱自動車は、栃木県に喜連川研究所があり、岡崎より数倍広いテストコースがありました。しかし、2003年1月にダイムラー資本が入り、三菱ふそうトラック・バスとして独立しています。

また、北海道には1周10km以上にも及ぶ広大な十勝研究所を有しています。しかし、ここまで車両を運ぶのもかなりの費用と時間、労力を要します。

今回の件は、背景に試験設備・試験場所の不都合があったのではないか、あくまで私見ですが、そんなことを考えた次第です。

現在調査中とのことなので、その結果を待ちたいと思います。

2016年3月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

分科会  成果報告書完成!

私はドラッカー「マネジメント」研究会に所属しておりますが、当研究会では 定例の研究会の他に、以前から分科会活動として3期、5つの分科会活動を行って きています。

2014年からの第4期活動としては、「少子高齢社会」および「商品開発とベンチャー ビジネス」をテーマとして選び、小職は商品開発のチームリーダーとして分科会活動を 推進してきました。

当該活動は2014年3月18日にキックオフを行った後、2ヶ月に1度のペースにて分科会活動を行い、成果物としては、2015年4月21日に報告書第1版を作成した後、内部レビュー会、 及び識者によるレビュー会を経て、この度、最終報告書として完成することができました。

改めて見てみると、当該報告書はA4x280ページもあり、内容が濃いため、読むだけでも5~6時間いやもっと要するかもしれません。まさにビリビリ!ときた瞬間です。

特に、小職の担当した「商品開発とベンチャービジネス分科会」では、初期段階にてドラッカーが著者として発行した全31冊の本を、各メンバーに分担し、商品開発とベンチャービジネスに関する事項を抽出したことに特長があります。

このように、全てのドラッカーに関する文献を一堂が読み返すことにより、ドラッカーがどのようなことを示唆しようとしていたのか、全体を把握することに努めました。

その後、最終的な論文の取り纏めに当たっては、「フレームワーク」と「企業研究」の2つに分類しています。フレームワークでは、これまで判りにくかった商品開発の進め方を整理するとともに、ロジック的に見える化を図りました。また企業研究のテーマでは、公開に支障の出ない範囲にて、出来る限り具体的に記載するように心掛けています。

足掛け2年に及ぶ分科会活動であることから、参加されたメンバーの方々には厚く御礼を申し上げたいと思います。なお、当該成果報告書の内容は5月21日開催のドラッカー総会にて発表の予定です。
       

2016年2月21日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

第4回 自動車100年塾の開催について

2016年3月7日(月)に「第4回自動車100年塾」を開催致します。

この自動車100年塾は、昨年4月に有志3名にて立ち上げ、将来の自動車産業はどうあるべきか、また我々は何をしなければならないのかを考える場として、活動を続けてまいりました。

昨年3回開催されたワークショップでは、お招きした講師の方々からガツン!となるような叱咤激励、薫陶を受け、たいへん好評を得ることができました。またぜひとも来年も行って欲しいと、多くの要望を受けました。

本年2年目を迎えるにあたり、この自動車100年塾はどうあるべきか検討を重ねてまいりました。そして、第4回はその新たな取り組みについて、皆さまにご提案させていただきたいと考えております。

また本塾の特長である、チームメンバーによる自由闊達な時間も設けております。

私どもの思いは、本塾を従来の企業枠を超えた場、さらには新たなビジネスを生み出す孵化基盤に育てていきたいと思っておりますので、自動車に関心のある方はぜひともご参加賜りますようよろしくお願い申し上げます。

ご参加される方は下記リンクよりお申込みお願い致します。

http://www.carnorama.jp/auto100.html

2016年1月14日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2016年1月13日「Automotive World」の基調講演を聞く機会がありました。
基調講演は4人のスピーカーだったのですが、最後に講演されたTesla Motorsの電池責任者カート・ケルティ氏が言ったことで気になったことがありました。

彼とは2013年6月に来日の際、取材したことがあるのですが、相変わらず元気な様子でした。さて、気になったことの一つがソフトのアップデートです。

テスラのモデルSでは2~3ヶ月に1度の割合で、ソフトのアップデートを行っているとのこと。その中の一つに、最高スピードもUPさせることができるとのこと。思わず「えっ!」と言ってしまいました。

私はソフトのアップデートとは制御系、つまりバグとか最新のソフトを導入するレベルかと思っていたのですが、テスラはかなり大胆にいろいろな要素をアップデートさせているようです。

これは自動車会社の思想というより、ソフトウェア会社の思想でしょうか。

もう一つは自動運転に関してです。

テスラでもまだ初期段階の自動運転なのですが、それでも2014年の段階でモデルSにはカメラ・レーザーレーダーなどハードは既に取り付けて販売したとのこと。

しかし、ずっとソフトが完成しないので動かすことが出来なかったが、2015年10月なり、ソフトがかなり完成したので、ようやくハード&ソフトで自動運転機能の一部を作動させたとのこと。

これも自動車会社の発想ではなかなか実現難しいことです。ソフトを開発している1~2年の間にハードも進化してしまうことを考えると、早い段階で装着することのリスクを取れるものではありません。

2つのコメントを聞き、考え方がこれまでと違うとビリビリ!ときたものです。

なお、これに関して、2016年1月11日付けWSJにて、テスラは自動運転機能付きの車両で、オーナーが危険な状況で「手放し」運転している様子を撮影した動画が多く出回っていることを受けて、自動運転機能に制限を加えたと報じています。

また、最初のスピーカーであった富士重工スバル技術本部の執行役員も、スピーチ最後に、当社は自動運転に関して5段階あるが、アイサイトなど先進技術をもってしても、まだ当面はレベル2(場面を限定した上での部分的な自動運転)を目指すと言及しており、完全自動運転や人が乗っていない自動運転は視野に入れていないようでした。

自動運転はメディアによりオーバーシュートした感もあり、今年はさらに地に足のついた議論になってくるのかもしれません。

2015年11月30日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

「第9回日中省エネルギー・環境総合フォーラム 次世代自動車分科会」を聴講して

11月29日にザ・プリンスパークタワー東京にて開催された「第9回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」および「次世代自動車分科会」を聴講しました。

この会合は日本と中国で毎年交互に開催されており、日中間での最大規模の会合の一つと思われます。小職も何度か出席しているのですが、今回も参加者は800名を超え、経産大臣、環境大臣なども列席されるなど盛会に開催されました。

さて、午後からの「次世代自動車分科会」に参加して感じたことがあります。

中国では、「新エネルギー自動車」として定義しているのはPHEV、EV、FCVのみです。従来のガソリン車やHEVは「省エネルギー車」として新エネ車と区別しています。そして、戦略を取り纏める国家発展改革委員会の方によれば、2015年の新エネ車販売台数は、なんと約25万台に達するとのこと。

これは驚くべき数値です。中国は2014年の新エネ車販売が約75,000台でしたが、僅か1年で3倍以上に増えています。そして、この数値は米国や日本を追い抜き、世界のトップに躍り出ようとしています。

また、中国の弱点であった充電インフラは、現在はまだほとんどない状態ですが、国のエネルギー政策を司る国家能源局が、2020年までに集中型充電&交換ステーションを12,000箇所、普通充電用のパイルを480万本設置すると宣言し、中国を3つの地域に分けて、優先度をつけて実施しようとしています。

さらに、国家主導による充電業界団体として「国家充電インフラ発展促進連盟」を創設し、まさに急速に充電インフラを充実させるとのこと。これは「CHAdeMO協議会」の国家版と言えるのかもしれません。

もし、これが実現すると、クルマの販売台数もそうですが、あっという間に充電インフラでも世界のトップに立つこととなります。

今回の聴講で彼らの本気度が見え、まさに”ビリビリ!”ときた瞬間でした。

日本はモタモタしていると、販売台数、充電インフラのみならず、技術でも後れを取るのではないか、そんな気がした会合でした。

2015年11月9日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

「SMART MOBILITY CITY 2015」国際シンポジウムを聴講して

 第44回東京モーターショーが閉幕しました。速報によれば、今年の入場者数は812,500人となり、前回(2013年)の902,800人から約10%減少したようです。コンセプトカーや話題のスポーツカーもあり、100万人に届くかと期待していたのですが、これでは関係者のショックも大きいように思えます。

 ちなみに約81万人というレベルは、2000年以降、リーマンショック後の2009年約61万人に続いて2番目に低い数値となります。やはりクルマ離れが進んでいる証左でしょうか。

 さて、11月6日には「SMART MOBILITY CITY 2015」国際シンポジウムと銘打って、自動運転に関する現状と将来予想に関するシンポジウムが開催されました。登壇者は日本自動車工業会、経済産業省、国土交通省、警察庁、内閣府SIP、日系自動車メーカー、米国(元NHTSA自動車安全研究担当長官補)、ドイツ(ドイツ連邦道路交通研究所)などです。

 経済産業省、国土交通省、日系自動車メーカーなどの発表内容は、これまでと同じ論調で、それほど目新しいものはありませんでしたが、米国の国家道路交通安全局(以下NHTSA)から元長官補のDr.Kanianthra氏が登壇し、自動運転に関する今後の見通しについて述べました。

 以前から、NHTSAでは自動運転について以下のとおり5つに分類しています。

<自動運転に関するNHTSAの分類>
Level 0  No-Automation(自動化なし)
Level 1  Function-specific Automation(運転支援)
Lecel 2  Combined Function Automation(パーシャル自動化)
Level 3  Limited Self-Driving Automation(条件付自動化)
Level 4  Full Self-Driving Automation(完全自動化)

 その中で、彼の主張はLevel3(条件付自動化)からLevel4(完全自動化)移行しようとすると、社会的コストが著しく上昇するとしています。また自動運転に関する社会的ベネフィットについても、Level3からLevel4になると、機械のみ(コンピュータ)と人間が介在することから混乱が生じ、社会的ベネフィットも低下すると主張しています。

 このため、彼は、社会的コストと社会的ベネフィットを考慮した時、自動運転の最適解はLevel 1.8からLevel 2.8程度の間になるだろうと述べています。

 まさに、ビリビリ!と来た瞬間でした。

 なぜなら、これまで米国も日本もLevel4(つまり完全自動運転化)を目指して進んでいると思っていたのですが、米国法規の作成を取り仕切るNHTSAが必ずしもそうは思っておらず、自動運転は完全自動化ではなく、どこかで限界を迎えると思っていることに衝撃を受けたものです。

 今回多数のメディアも参加されていましたが、このような指摘についての記述は報道されていないように見受けます。自動運転と社会的コスト、社会的ベネフィットの許容性をどこまで認めるのか、日本ではPRばかりが先行し、まだこのような議論には至っておりません。

 この議論は浮かれることなく、詰めていかなければならない課題かもしれません。

2015年10月28日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 「第3回 自動車100年塾」の開催について

 さて、ようやく段取りが整い、「第3回の自動車100年塾」を開催する運びとなりました。 自動車に関心のある方は、ご検討いただけると幸いです。

 この「自動車100年塾」は、自動車に関連した経験を持つ有志3名にて、今後の自動車産業のあり方を勉強する場を設けようと、この4月に結成したものです。

 第1回は、5月29日には、第1回として、東大・一橋大などで教鞭を取られ、政府系委員も多数歴任されている特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長の妹尾堅一郎氏にご登壇いただきました。「ロボットとしての自動車、サービスとしての自動車 ~自動車産業生態系の観点から自動車の未来を考える~」というテーマにてご講演いただきました。

 また第2回は、9月7日に、著書「オープン&クローズ戦略」で有名な、東京大学政策ビジョン研究センター シニアリサーチャーの小川紘一様にご登壇いただきました。「IoT時代の自動車産業と日本企業の方向性 ~自動車産業にオープン&クローズ戦略が必要となった」と題して、ご講演いただきました。

 両講演とも、「企業の中にいると、このような発想がなかなかできなかった」「頭をハンマーで殴られたようなショックだった」など、たいへんな反響をいただきました。

 この好評の結果を受けて、第3回では、連続で学術系が続いたので、実務に強い方にと思い、日経テクノロジーオンライン『リアル開発会議』で有名な「開発の鉄人」こと、システム・インテグレーション社 代表取締役の多喜義彦氏にご登壇いただき、「開発の鉄人がリアルに語る 新事業・新商品開発の実際 ~ワープの時代 自動車はどうなる~」というテーマにてご講演いただくこととなりました。

 なお、今回は会場の都合により定員30名としております。申し訳ありませんが、先着順としておりますので、ご了承賜りたく、よろしくお願い致します。

・日時  11月27日(金)18:30-20:30

 また、今回ご都合悪い方も、次年度多彩な企画を準備しておりますので、次回よりご参加検討いただきたく、よろしくお願い致します。

http://www.carnorama.jp/auto100.html

2015年10月19日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 「潮目が変わったのか!」

 年初めに、しばらくは燃料電池車(以下FCV)の話題が続くが、秋口からは流れが変わり、電気自動車/プラグインハイブリッド車(以下EV/PHEV)に話題の中心が移るのではと予想しました。これを聞いた多くの人は、当時毎日のようにFCVがメディアを賑わしていたこともあり、半信半疑だったようです。

 それを考えた背景として、多くの要素がEV/PHEV関連で同時進行しており、これが出現するのが2017~2018年であること。そして、一気に流れが変わる閾値(Tipping Point)がその時に来るのではと見立てを行いました。

 そして、2017年の東京モーターショーでは、既に量産車が出てくることを考えるとコンセプトカーを出すのは今年の東京モーターショーでないかと予測したのです。まさに、クルマの出現時期から逆算してトレンドの動きを予想しました。

 ところが、思いもよらぬことから変化が生まれました。VW問題です。
排ガス不正問題で窮地に立たされたVWが、ご承知のように、環境対応車をディーゼルから、一気に電気に軸足を移すと表明しました。(2015/10/13)

 これに堰を切ったかのように、連日関連する報道がありました。
まさに何か連動しているのではと「ビリビリ!」と思った次第です。

・トヨタ・・・2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を90%削減。
       つまり2050年までにガソリン車をゼロにする。(2015/10/14)

・ボルボ・・・今後発売する全てのクルマにPHEVモデルを準備するとともに、
       2019年までにEVの販売を開始する。(2015/10/16)

・ホンダ・・・今後のエコカーはPHVを主体に考える。(2015/10/17)

 それにしても、ここに来てなぜ急激にEV/PHEVに傾斜し始めたのでしょうか。
複数の要因があると思いますが、私の見立てとしては主に3つです。

1.自動運転技術の導入が早まりそうなこと
 無人、完全な自動運転のレベル4はまだまだ無理としても、半自動運転であるレベル3への技術開発が進んでいます。このレベルでは、運転責任はあくまでドライバーにありますが、ある一定条件下であれば、自動運転が可能な
 ところまで技術が進んでいます。そして、いよいよ法整備、保険など付帯条件の分野にまで検討が進み始めました。

 その時、EV/PHEVなどの電動車両がないと、せっかく機器を開発しても、載せるクルマがないというこになりかねません。

2.ガソリン車の収益に陰りが見えてきたこと
 円安にて一服ついていた日系自動車メーカーも、来期は減益予想となるところが複数出てきています。また中国の減速で大きなダメージを負っているドイツ、米国、韓国の自動車メーカーも同様の状態となっています。
 
 このような状況を打破し、他社との競争に打ち勝つためにも、いち早く次世代のパワートレインに切り替える必要性が出てきたのではないでしょうか。なお、ハイブリッドでは新鮮味もなく、その役目は難しいように思えます。

3.次世代電池(エネルギー密度向上、全固体電池の導入)への目途が立ち始めたこと
 電池は、要素技術が生まれてから量産化まで、一声10年と言われます。2009年にi-MiEVが生まれてからはや6年が経過しました。2017~2018年を想定すると、既に各社からアナウンスされているとおり、300kmを走行可能とする電池など、次世代電池の登場が近づいているように思えます。

 また、2020年頃には、リチウムイオン電池の弱点であった有機系電解液を、不燃の電解質に変えた全固体電池が登場するかもしれません。

 ただ、残念なことは、このような状況に於いても、まだどの方向に進むか躊躇している日系自動車メーカーも多いように思えます。そうしている間に、ガソリン車で勝負できた市場でも、テスラなどの米国ベンチャー企業やドイツ自動車メーカーに市場を奪われていくのではと危惧します。

 「急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジリーダーとなる者だけである」とはP.F.ドラッカーの名言ですが、まだ先頭に立とうとしない今の自動車メーカーに、この言葉が当てはまるのではないでしょうか。

2015年10月8日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

「時代に逆行!」

 CEATEC JAPAN 2015(最先端IT・エレクトロニクス総合展)について、10/6の開催発表記者会見や、10/7の展示状況を見てかなりショックを受けております。

 というのは、CEATECは、家電・ITとクルマが融合するとてもユニークな展示会になるであろうと期待して行ったのですが、思いっきり外れてしまいました。

 開催期間は10月10日まであるので、ぜひご自分の目で見られることをお勧めします。私があれっと思ったことは、次の5つです。

1.行政の力の入れ具合が今一つ
 このような大きなイベントは、各省庁からも強力にバックアップしているハズなのですが、挨拶として演台に立ったのは経産省と総務省の課長補佐クラス。肩書が全てとは言いませんが、このような大きなイベントにも係らず、局長や課長でないことに、あれっと思ってしまいました。周囲からも、「この程度の力の入れようなの?」と声が漏れ聞こえておりました。

2.大手自動車メーカーが不参加
 これまで自動運転などで話題を振りまいていた大手自動車メーカーのトヨタ、日産とも不参加となっています。参加していたのはホンダ(発電装置がメイン)、マツダと米国テスラのみ。どのような事情があったのかは判りませんが、自動車メーカーがこのイベントから手を引いたような印象を受けました。

3.大手家電メーカーは昔のエレショーに回帰
 CEATECは、2000年まで”エレクトロニクスショー”(通称エレショー)として開催していました。今回、パナソニック、シャープなどは、テレビ・家電品などを多く展示し、昔の”エレショー”に回帰してしまったように見えました。しかし、4K、8Kのテレビをいくら展示しても、IoTとの繋がりはかなりギャップを感じてしまいます。

4.主要3メーカーが不在
 日立、東芝、ソニーの3社は、今回ブースすらありません。確かに、日立などはJR運行システムなどのインフラに力を入れており、B2Bがメインかもしれませんが、それにしても、B2Cが重要であることは言うまでもありません。

 米国のシリコンバレーでは、最近モノ作りへの回帰が著しいですが、日本の大手メーカーの発想力、技術力が弱くなってしまうのではと危惧した次第です。

5.電子部品メーカーは健闘
 それに対して、村田製作所、TDK、京セラ、ロームなどの大手電子部品メーカーはとても元気でした。それは説明員となっている技術者にも表れており、多くの技術者に話を聞いても、生き生きとして開発品のことを説明してくれ、とても頼もしく思った次第です。

 私の見立てでは、CEATECなどを契機に、電気・電子・ITを得意とし、かつクルマの技術力も高い日本から、新しいIoTが生まれてくるのではと期待していたのですが、今回はまだ時期尚早のようでした。
10月28日からの東京モーターショーに期待したいですね。

2015年9月19日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 ここにきて、ドイツ自動車メーカーが一斉にプラグインハイブッド車(以下PHEV)に力を入れ、大量投入を計画しています。メディアでは、その理由として、欧州CO2 規制や、米国カリフォルニア州でのZEV規制などを挙げています。

 しかし、本当にそれが理由でしょうか。彼らは、もっと長期的な視点から戦略を組み立ててきているのではないかという視点から、彼らの頭の中を考え、私なりに シナリオを読み解いてみました。

 そのため、私なりの見立てをアイティメディアに寄稿しております。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1509/18/news024.html

 私としては、少なくとも4つのシナリオがあると思っております。
詳細は上記コラムをご覧ください。

1.開発の余地があるPHEVとインダストリー4.0を連動させることで、日米に対して競争力が保てると判断した
2.最大市場である中国を死守するため、PM2.5など環境問題への対応と、今後実施される中国版ZEV規制を先取りして、PHEVの重点投入を決めた
3.政治の影響力が強い中国と、製造分野での関係を強化するため、インダストリー4.0の内容を中国に伝え、「中国製造2025」と補完関係を築いた。PHEV、EVについても、同様にすみ分けの戦略を考えた可能性がある
4.欧州におけるCO2排出規制、米国カリフォルニア州のZEV規制、さらには上述の中国版ZEV規制に対し、PHEV投入が有効であると判断し、集中投資を決断した

2015年9月1日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

 この日曜日、8月30日中国出張から戻ってきました。
現地にて仕事をしていると、毎日CCTVでは、9月3日に開催される「抗日戦争勝利70周年」軍事パレードの練習風景を放送しています。

 軍事パレードの目的は、海外に対する国力の誇示にあることは間違いないのですが、これほど毎日激しい訓練の様子が放送されると、筆者などは別の意味があるのではと思わず思ってしまう。

 一つは、軍部に対する党への忠誠心を高めること。

 つまり、国によっては軍部が暴走し、政権奪還を狙ったりする場合がある。しかし、中国では党がそれを全て掌握していることを、軍部の若手も含めて知らしめる狙いがあるのではないだろうか。

 もう一つは、一般市民に対して、党に対する従順さを植えつけること。

 若い兵士が、足腰に怪我を負いながら、厳しい訓練を受けるシーンを幾度も放映し、国内で時折発生する暴動に対して、そのような行為を抑制される効果を狙っているのではないだろうか。

 1つの物事に対して、目的が2つあることはよくある。今回どちらが正なのか判らないが、現地での加熱した報道ぶりを見ていると、狙いは国内にあるように見えてしまう。

 直近では、中国経済に対する懸念から株価暴落など、中国絡みの案件が多い。
巨大となった隣人に対して、どのように対処していけば良いのか。彼らなりの考え方を、注意深く見ていくことが大切になってきていると思われる。